トムソン・ロイター、法務業務を変革するAI「CoCounsel Core」日本語版を提供開始

2025年10月21日、トムソン・ロイターは法務担当者向け生成AIアシスタント「CoCounsel Core(コーカウンセル・コア)」の日本語版を提供開始すると発表した。
日本の弁護士によってローカライズされ、日本語での法的推論処理を可能にする。法務の迅速化と品質向上を両立する革新的なAIソリューションだ。
日本の法務現場に最適化された生成AI 契約レビューや訴訟準備を自動化
トムソン・ロイターは、世界のプロフェッショナル向けに展開する生成AIアシスタント「CoCounsel Core」の日本語版提供を正式に発表した。
本製品は、日本の法務実務に合わせてローカライズされ、契約書レビュー、条項抽出、訴訟準備、ナレッジ検索などの業務を迅速化する。
CoCounsel Coreは、法務担当者がより戦略的な業務に集中できるよう設計されている。
コアスキル、「文書レビュー」、「文書比較」、「要約」、「データベース検索」、「ドラフト」、「尋問準備」、「タイムライン」は日本語での回答能力を備え、ユーザーインターフェイスも完全にローカライズされている点が特徴となっている。
代表取締役社長の三浦健人氏は、「CoCounsel Core日本語版は、高い透明性と安心できる品質を提供しながら日常業務をサポートすることで、法務専門家・実務家の方がその高い品質基準を維持できるよう支援します」と述べる。
同社は日本の弁護士と共同でAIを最適化し、実務フローに即した設計を実現した。
CoCounsel CoreはISO/IEC 42001:2023認証(※)を取得したAI管理システムの下で運用され、全出力に出典引用と監査証跡が付与される。
今後は、同社が提供する法情報データベース「Westlaw Japan」との連携が予定されており、判例・法令と生成AIの連携拡充が計画されている。
※ISO/IEC 42001:2023認証:AI管理システムに関する国際規格。AIの安全性、透明性、説明責任を保証するための国際的な基準。
「共創型法務」が加速するAI時代の幕開け
CoCounsel Coreの導入は、法務領域におけるAI活用の質を一段と高める契機となりそうだ。
最大の利点は、契約書レビューや訴訟準備といった定型業務を自動化し、人間が創造的な判断や交渉戦略に専念できる点にあるとみられる。
加えて、ISO認証を得たAI管理体制のもとで運用されるため、透明性や監査性の確保も進むだろう。
一方で、AI出力に過度に依存すれば、誤った法解釈や判断リスクを招く懸念も残る。
日本特有の法体系や判例文化に即したチューニングを維持するためには、継続的な専門家監修とデータ更新が不可欠だと考えられる。
今後は、同社が展開する「Westlaw Japan」との連携を通じて、法令・判例検索から文書作成までを一気通貫で支援する環境が整う可能性がある。
AIが人間の法的思考を補完する“共創型法務”が現実となれば、企業や法律事務所の業務効率化と品質向上を両立する新たな時代が開かれるだろう。
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