ベルベットジャパン、ブロックチェーン活用のガチャEC「ユニガチャ」開始

2025年10月17日、ベルベットジャパン株式会社は、ブロックチェーン技術を用いたオンラインガチャEC「ユニガチャ」を正式に開始した。
ガチャ抽選の透明性を確保し、コレクター市場における公正な購入体験を実現する試みだ。
ブロックチェーンで「公平なガチャ体験」を実現
ユニガチャは、シンガポールのVELVETT PTE. LTD.の日本法人であるベルベットジャパンが開発したWeb3型オンラインガチャECである。
トレカやフィギュア、ポップトイなどのコレクティブル商品を、ブロックチェーン上で抽選購入できる仕組みを採用した。
抽選処理はBase(ベース※1)というブロックチェーン上で行われ、結果は即時に記録・公開される。
従来のオンラインガチャやオリパ(※2)では、抽選結果の不透明さや不正操作の疑念が課題とされてきたが、ユニガチャでは在庫本数と抽選履歴をブロックチェーン上で誰でも確認可能とした点が特徴だ。
また、抽選後に当選した賞品は「発送依頼」「保存(60日後にコインに自動で変換)」「指定レートでコイン変換」「クーポン交換」の4通りから選択できる。
特徴のひとつとして、使用したコインと同額分のクーポンを提携ECサイト「ユニクラ」で利用できる100%還元の仕組みを備えている。
ユーザーはガチャの結果にかかわらず、同額分のクーポンを活用できる構成となっている。
さらに、企業向けに自社ECへの導入や商品出品パートナーの募集も開始された。
ベルベットジャパンは、ガチャ体験をブロックチェーン技術によって透明性を担保した販売手法として提供し、EC分野における信頼性向上に寄与する。
※1Base:米Coinbaseが開発したEthereum互換のL2ブロックチェーン。
※2オリパ:オリジナルパックの略。オンラインで販売されるランダムパック形式のトレーディングカード。
ユニガチャが描く“トラストEC”の未来像
ユニガチャの最大のメリットは、ブロックチェーン技術によって「抽選結果の透明性」を保証できる点にあるだろう。
ガチャや抽選販売といった運の要素を含む取引では、不正や偏りへの不安が根強かったが、そのプロセスをオンチェーン化することで、ユーザーが自ら結果を検証できる仕組みが整うと考えられる。
この「信頼の可視化」は、これまで限定的だったWeb3技術を一般消費の文脈へと押し広げ、ECの在り方を刷新する契機となるだろう。
一方で、利用の際に暗号資産ウォレットの接続や、トランザクション確認といった工程を要する点は、依然として一般ユーザーにとっての障壁となり得る。
特に、ブロックチェーンに対する理解不足や誤操作への懸念が、利用意欲を下げる可能性は否めない。
また、NFTや暗号資産を扱うことによる法的整理や規制対応も、拡大のスピードを左右する要因となるだろう。
今後は、UIの簡素化や法的リスクの明確化を進めることで、「誰でも安心して使えるWeb3体験」へと昇華できるかが焦点となりそうだ。
加えて、暗号資産に依存しない決済や、既存ECとの連携によって裾野を広げれば、ユニガチャは“トラストEC”の象徴的モデルとして定着する可能性がある。
長期的には、日本発の透明性基盤として、海外市場への展開も視野に入るかもしれない。
関連記事:
ソラナ上で拡大するポケモンカードNFT市場 140億円超の取引高に












