トランプ一族関連WLFI、不動産トークン化を計画 RWA事業にも拡大へ

2025年10月1日、米ワールドリバティ・ファイナンシャル(WLFI)の共同創設者ザック・ウィトコフ氏が、トランプ家が保有する不動産をトークン化し、一般投資家にもアクセス可能にする構想を明らかにした。
発言はシンガポール開催のToken2049および米メディア報道によるものだ。
WLFI、トランプ家不動産をトークン化へ 一般投資家にも開放
ウィトコフ氏は、Token2049でのブルームバーグのインタビューで「もし取引所でトランプ・タワー・ドバイのトークンを1枚購入できるとしたらどうか」と語り、これまで富裕層に限定されていた不動産投資を一般層にも開放する構想を示した。
同氏は、現状ではREIT(不動産投資信託)や上場企業を通じてでしかA級不動産に投資できない点を課題視し、ブロックチェーン技術による資産アクセスの民主化を掲げた。
WLFIはトランプ前大統領およびその家族が関与する暗号資産関連プロジェクトで、ウィトコフ氏はスティーブ・ウィトコフ氏(トランプ氏の外交特使)の息子でもある。
現段階で、資産トークン化をWLFI自身が行うのか、同社の上場パートナー企業ALT5 Sigmaが担うのかは明らかにされていない。
また、ウィトコフ氏はCNBCの取材に対し、石油・ガス・綿花・木材などの現実資産(RWA※)もトークン化対象に含める方針を示した。
「あらゆる商品がチェーン上で取引されるべきだ」と述べ、RWA事業への参入意欲を示した。
さらにWLFIは、暗号資産と日常支出を接続するデビットカードの発行も計画しているという。
来四半期にシンガポールでパイロット運用を開始し、2025年第4四半期か2026年第1四半期に本格展開を予定している。
※RWA(Real World Assets):不動産や商品などの実物資産をデジタル化し、ブロックチェーン上で取引可能にする技術・概念のこと。
資産トークン化が描く未来 WLFIの挑戦と課題
WLFIによるトランプ家不動産のトークン化構想は、富裕層に限定されていた不動産投資を一般層へ開放する試みとして注目できる。
ブロックチェーン技術による小口化は流動性とアクセスの平等性を高め、資産運用の新たな選択肢を生む可能性がある。
一方で、資産評価や法的整合性、政治的背景に伴う透明性など、信頼性確保には依然として課題が残る。
特にトランプ家の関与は話題性を生む半面、利益相反や監視強化の要因ともなり得る点は否めない。
さらに、ウィトコフ氏が示したRWA事業への拡大は、石油や木材といった実物資産のデジタル化を通じて、金融市場の再構築を促す動きといえる。
制度整備が進めば、現実資産の取引効率や透明性は飛躍的に向上するだろう。
ただし、法的基盤や市場インフラが整わなければ持続的発展は難しく、当面は試験的導入段階にとどまるとみられる。
デビットカード事業など実需との接続も視野に入れるWLFIの挑戦は、次世代金融の方向性とRWA市場の成長余地を占う試金石となるだろう。
ブルームバーグ 記事:
CNBC 記事:
関連記事:
RWA取引所「DigiFT」が37億円調達 SBI主導でWeb3と伝統金融の融合を加速












