米ビジョンシスAI、20億ドル規模のソラナ(SOL)トレジャリー開始 マリネードと提携

2025年10月1日、米ナスダック上場企業ビジョンシスAI(VisionSys AI)は、最大20億ドル(約2,942億円)規模のソラナ(SOL)トレジャリー(財務資産)プログラムを開始予定だと発表した。
DeFiプロトコルのマリネードファイナンス(Marinade Finance)と提携し、AI技術とブロックチェーンの融合による財務最適化を目指す。
ビジョンシスAI、マリネードと連携しソラナ資産運用を開始
ビジョンシスAIはAI企業として、ブロックチェーン資産を自社バランスシート上に大規模導入し、財務基盤強化と長期的な株主価値創出を図る方針を示した。
プログラムの第1段階では、今後6か月以内に5億ドル(約735億円)相当のソラナを取得・ステーキング(※)する計画である。
運用は同社子会社メディンテルテクノロジー(Medintel Technology)と、ソラナ上でDeFi(分散型金融)プロトコルを提供するマリネードファイナンス(Marinade Finance、以下マリネード)との提携に基づいて進められる。
マリネードはセキュリティやコンプライアンス、パフォーマンスの最適化など運用面を支援し、企業がステーキング資産を安全かつ効率的に管理できる仕組みを提供する。
また、ビジョンシスAIによるソラナエコシステムへの統合も技術的に支援する予定だ。
同社CEOのヘン・ワン(Heng Wang)氏は、「マリネードの専門知識を活用し、トレジャリー強化だけでなく、ソラナの高性能ブロックチェーンと独自AIアルゴリズムを組み合わせ、次世代のDeFiソリューションやトークノミクスモデルを探求していく」とコメントした。
※ステーキング:暗号資産を一定期間ネットワークに預け入れ、取引承認などに貢献することで報酬を得る仕組み。
https://plus-web3.com/media/staking/
AI主導の資産運用が進化へ 期待とリスクの両面
今回の動きは、AI企業が暗号資産を自社トレジャリーに組み入れるという新潮流を示すものだと考えられる。
AIによるリスク分析や自動最適化アルゴリズムを活用することで、従来の金融機関には難しかったリアルタイムの運用判断や収益性向上が実現する可能性がある。
分散型プロトコルを活用すれば、透明性の高い運用を保ちながら、グローバル市場での資本効率を引き上げることも期待できる。
一方で、暗号資産を多く保有する企業にとっては市場変動リスクや規制対応の課題も残る。
特に、米国ではステーキング報酬やデジタル資産の評価方法に関する会計基準が未整備のため、企業財務における透明性維持が問われることになるだろう。
それでも、AI×ブロックチェーンの融合は今後の企業財務モデルを再定義する可能性を秘めている。
AIが主導する自律的トレジャリー運用が実用化すれば、企業が資産を単なる保有対象ではなく「価値を増幅させる知能的リソース」として扱う時代が到来するかもしれない。
ビジョンシスAI株式会社 プレスリリース:
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