スイグループHD、ステーブルコイン「suiUSDe」「USDi」発表 エセナとSui財団が提携

2025年10月1日、米ナスダック上場のスイグループホールディングス(SUIG)は、分散型金融(DeFi)プロトコルのエセナ(Ethena)およびスイ財団(Sui Foundation)と提携し、2種類のステーブルコイン「suiUSDe」と「USDi」を発行する計画を発表した。
SUIG、エセナ・Sui財団と連携し2種類のドル連動資産を発行
SUIGは、スイ(SUI)のエコシステム拡大を目的に、2種類のステーブルコイン「suiUSDe」と「USDi」を発行する。
上場企業、DeFiプロトコル、ブロックチェーン財団の三者が共同でステーブルコインを立ち上げるのは業界初の試みである。
suiUSDeは、エセナが提供する合成ドル資産「USDe」の技術基盤を活用して発行される。
エセナは分散型金融(DeFi)プロトコルのひとつで、現在の総ロック額(TVL)は148億ドル(約2兆2,000億円)を超え、USDeは時価総額で世界第3位のドル建てデジタル資産となっている。
suiUSDeはその仕組みをスイチェーン上に拡張し、スイネイティブの合成型ステーブルコインとして機能する。
一方、USDiはブラックロック(BlackRock)が運用するトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL」を裏付け資産とする実体担保型ステーブルコインとなる。
今回の発行により、Suiはイーサリアム仮想マシン(EVM)非互換のチェーンとしては初めて、ネイティブの高利回り型ステーブルコインを保有することになる。
suiUSDeとUSDiはいずれも2025年末までの稼働開始を予定しており、オンチェーン金融商品として広く普及させる計画だ。
Sui経済圏拡張の転機 ステーブルコインがもたらす新局面
SUIGによる2種類のステーブルコイン発行計画は、Suiブロックチェーン(※)の経済圏拡大を加速させる試みといえる。
合成型のsuiUSDeはエセナの技術を活用し、高い資本効率と利回り機会を提供する構造を持つだろう。
これによりDeFi利用者に新たな金融選択肢を与え、エコシステムの流動性向上に寄与する可能性がある。
一方、USDiは実体資産を裏付けとすることで安定性と信頼性を確保し、機関投資家の参入を促す基盤となり得る。
両者の併存により、Sui上での決済や資産運用サービスが多層的に展開できる環境が整う点は大きな利点だろう。
ただし、合成資産であるsuiUSDeは市場変動時の担保不足や価格乖離リスクを抱えるほか、USDiは運用資産の透明性維持や規制対応が課題となりそうだ。
それでも、DeFiと伝統金融の接点を形成する今回の試みは、Suiが分散型金融圏として発展する重要なステップとなると考えられる。
※Suiブロックチェーン:高速処理と並列実行技術を特徴とするレイヤー1ブロックチェーン。Meta(旧Facebook)出身者が設立したMysten Labsが開発を主導している。
SUI Group Holdings Limited ニュース:
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