オプト、AIとキャラクター融合CXソリューション「Soulful AI™」始動

2025年9月30日、株式会社オプトは、LINEミニアプリ上でAIと公式キャラクターを組み合わせ、情緒的価値を提供するCXソリューション「Soulful AI™(ソウルフルエーアイ)」の正式提供を開始した。
AIがキャラクターに“魂”を吹き込む新CX基盤
オプトは「新しい価値創造を通じて産業変革を起こし、社会課題を解決する」を掲げ、LTVM(※)を軸に顧客事業の成長を支援してきた。
今回発表された「Soulful AI™」は、LINEミニアプリ上で、AIがブランドや企業の公式キャラクターの声を代弁し、ユーザーに語りかける仕組みである。
成熟する公式アプリ市場では、機能の同質化により利用率が頭打ちとなる課題が顕在化していた。オプトは差別化の手段として、ブランドの「公式キャラクター」に注目。
購買や来店以外のタイミングでも、キャラクターの存在がアプリ起動の動機付けになると捉えた。
しかし、世界観を損なわずに継続的にメッセージを発信するには多大な制作コストが必要であり、導入企業にとっては負担が大きかった。
これに対し、進化するAI技術を活用することで、まるで人が書いたかのような自然で温かみのあるメッセージを自動生成し、低コストかつ継続的な運用を可能にしたのが「Soulful AI™」である。
アプリは単なる便利なツールから「心に寄り添う存在」へ進化し、企業と顧客の長期的な関係構築を後押しする。
実際の導入事例として、桂花拉麺株式会社の「桂花ラーメン公式アプリ」では、キャラクター「ケイカボーイ」が熊本方言でユーザーを励ます取り組みを実施。
結果として、月10回以上アプリを起動したユーザーが8割を超え、クーポン利用率も84%に達するなど、来店数や売上の向上につながった。
※LTVM(Life Time Value Marketing):オプトが名付けた概念。
顧客1人あたりの利益を重視する従来型LTVに対し、エンドユーザー理解と本質的価値提供を通じ、顧客企業の持続的成長を支援する。
情緒的価値がLTVを押し上げる可能性と課題
「Soulful AI™」は、キャラクターの情緒的な語りかけと、従来アプリが持つ機能的価値を組み合わせることで、日常的な利用習慣を形成しやすい点が強みとなりそうだ。
これにクーポンやポイント施策を掛け合わせれば、ユーザーの継続利用を促進し、顧客生涯価値(LTV)の最大化につながるシナリオが描けるだろう。
導入企業にとっても、開発や運用の効率化を実現できる一方で、キャラクターの人格設定や発話内容の一貫性維持は重要な課題になるとみられる。
もし生成AIがブランドの意図とずれた表現をすれば、かえって逆効果となる恐れがあり、そのため適切な監修や調整機能の整備が今後の成否を左右しそうだ。
また、応用領域は飲食・小売にとどまらず、観光、教育、さらには行政サービスへと広がる可能性がある。
キャラクターを媒介とした「心に響く体験」が多様な場面で受け入れられれば、ユーザーエンゲージメントの新しい基準として定着することも考えられる。
オプトが掲げるLTVMの理念が産業横断的に浸透するか否かが、今後の普及の成否を左右するだろう。
オプト プレスリリース:https://www.opt.ne.jp/news/11485/
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https://plus-web3.com/media/latestnews_1000_4906/











