ソフトバンクと米アーク、テザー資金調達参画を協議か 評価額約73兆円規模

2025年9月27日、米ブルームバーグは関係者の話として、ソフトバンクグループと米アーク・インベストメント・マネジメントが、ステーブルコイン最大手テザー社の資金調達ラウンドへの参加を協議していると報じた。
評価額は最大5,000億ドル(約73.9兆円)に達する可能性があるという。
テザー、資金調達で評価額5,000億ドルに迫るか
ブルームバーグの報道によれば、テザー社は私募形式で株式の約3%を提供し、150億〜200億ドル(約2兆〜2.9兆円)の調達を目指している。
今回の調達には、ソフトバンクとアーク・インベストメントが協議に加わっているとされる。
ソフトバンクは2025年4月、キャンター・フィッツジェラルドやテザー社、ビットフィネックスとともにビットコイン投資会社「21キャピタル」を設立しており、暗号資産分野での連携を強めてきた経緯がある。
さらに、アーク・インベストメントを率いるキャシー・ウッド氏は、テザーの競合であるサークルインターネットグループのIPOに出資した実績を持つ。
そのため、アークがテザーへの投資を検討することも、既存の投資戦略の延長線上にあると考えられ、参画の蓋然性を高める要因となるだろう。
また、テザー社のアドバイザーは米金融大手キャンター・フィッツジェラルドが務めており、同社はテザー資産のカストディも担っている。
大手金融との関係性を強めることで、テザーが安定的な運営基盤を確立しようとしている様子がうかがえる。
※ステーブルコイン:法定通貨や資産に価値を連動させ、価格の安定を目的とする暗号資産の一種。
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巨額調達がもたらす期待とリスク 規制環境の影響も
テザー社の評価額が5,000億ドル規模に達すれば、暗号資産関連企業としては世界的に突出した存在となりそうだ。
資金力の強化は、ステーブルコインの裏付け資産の拡充や新規事業への投資余力を高め、市場にさらなる信頼を与える可能性がある。
金融業界においても、既存の銀行システムを補完する形でステーブルコインの役割が拡大する展望が開けるだろう。
一方で、リスクも少なくない。
米国をはじめとする各国の金融規制は強化傾向にあり、特にステーブルコインに対しては監督体制の整備が急がれている。
調達額が巨大化することで規制当局からの注目度が高まり、透明性や監査体制の徹底が強く求められる局面に入ると考えられる。
また、資本の集中によって市場の独立性が薄れる懸念も浮上する。
特に、ステーブルコインの供給量と流動性が特定の資本勢力に依存しすぎる場合、市場安定性に逆効果を及ぼすリスクは否定できない。
今後、テザー社がどのような条件で資金調達を進め、規制環境にどう対応するかは、ステーブルコイン市場の行方を占う重要な指標になりそうだ。
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