ビットマイン、暗号資産保有107億ドル超 イーサリアム215万ETH首位

2025年9月15日、米国NYSEアメリカン上場のビットマインイマージョンテクノロジーズ(BitMine Immersion Technologies)が、総保有資産額が107億7,100万ドル(約1.5兆円)に達したと発表した。
暗号資産の内訳ではイーサリアム(ETH)の保有量が215万ETHを超え、世界の上場企業で首位に立っている。
イーサリアム保有量で世界首位を確立
ビットマインは、暗号資産を中心とした資産ポートフォリオを拡大している。
9月14日時点の内訳は、イーサリアム215万1,676ETH、ビットコイン(BTC)192BTC、さらに米ナスダック上場企業エイトコ・ホールディングスへの持分2億1,400万ドル(約314億円)、現金5億6,900万ドル(約836億円)に及ぶ。
イーサリアムの保有量は世界の上場企業で最多となり、暗号資産全体の評価額でも、BTCを大量に抱えるストラテジーに次いで第2位につけている。
背景として、同社は積極的な資産取得戦略を続けており、オンチェーン分析企業ルックオンチェーンの報告によれば、9月11日に4万6,255ETHを約2億430万ドル(約301億円)で新規購入していた。
加えて9月8日には、エイトコ・ホールディングスへの戦略的投資として2,000万ドル(約29.4億円)を拠出した。
これは同社が実施した2億7,000万ドル規模のPIPE(※)に連動する動きだ。
※PIPE(Private Investment in Public Equity):公開企業が特定の投資家に対して株式を私募で発行する仕組み。資金調達を迅速に行える手法として活用される。
ETH首位保有で描く収益拡張の青写真
ビットマインの動きは、暗号資産市場における成長戦略を明確に物語っていると考えられる。
イーサリアムを大量に保有する姿勢は、ネットワークの拡張やステーキング需要の高まりを背景に、将来的な収益基盤を強化する狙いとみられる。
現金や株式持分を組み合わせた資産構成は、リスク分散を図りつつも、暗号資産への高い比重を維持する独自の戦略と位置づけられるだろう。
短期的には、イーサリアムの保有量首位という地位が投資家からの注目を集め、同社の市場評価を押し上げる要因となる可能性がある。
長期的には、Web3領域の拡大や分散型金融の普及に伴い、保有資産の価値がさらに増大する展開も想定できる。
一方でリスクも顕著だと考えられる。暗号資産は価格変動が大きく、巨額のポジションを維持することは市況急変時に財務上の脆弱性を生みかねない。
さらに規制強化の動きが各国で進むなか、保有戦略が法制度の変化にどこまで適応できるかは予断を許さないだろう。
とはいえ、今回の資産増強は、暗号資産を基軸にした企業像を鮮明に打ち出すものであり、市場拡大に伴う先行者優位を築く可能性がある。
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