ストラテジー、ビットコインを追加購入 総保有数63万8,985BTCに拡大

2025年9月15日、米ストラテジー(Strategy)がビットコイン(BTC)の追加購入を発表した。
今回の取得により、同社の総保有量は約63万8,985BTCとなり、上場企業によるBTC保有数で世界首位の座をさらに強固にしている。
ストラテジー、525BTCを約88億円で追加取得
ストラテジーは9月8日から14日の間に525BTCを購入した。
総額は約6,020万ドル(約88億円)で、手数料と経費を含めた1BTCあたりの取得単価は11万4,562ドル(約1,686万円)に達する。
これにより、9月14日時点の総保有数は63万8,985BTCとなった。
取得総額は約472.3億ドル(約6.95兆円)にのぼり、1BTCあたりの平均取得価格は7万3,913ドル(約1,088万円)である。
さらに、同社は2025年累計で25.9%の利回りを実現したという。
ビットコイントレジャリーズ(※)の統計によれば、上場企業による保有ランキングではストラテジーが圧倒的1位に立ち、第2位のマラホールディングス(MARA Holdings)が52,477BTC、第3位のトゥエンティワンキャピタル(XXI Capital)が43,514BTCを保有している。
※ビットコイントレジャリーズ(Bitcoin Treasuries):上場企業や政府、機関投資家が保有するビットコインの数量を集計・公開している情報プラットフォーム。
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強気の象徴かリスクの象徴か ストラテジーが突きつける市場の分岐点
ストラテジーによる大規模なビットコイン追加購入は、今後の市場に複数の展開をもたらすかもしれない。
圧倒的な保有量は強気シグナルとして作用し、暗号資産を企業財務に組み込む先駆例となり得る。
長期視点の投資戦略を打ち出す姿勢は投資家に積極性を示し、他企業に対してもビットコイン導入を検討する動機となるだろう。
その結果、暗号資産の普及と市場拡大を後押しする可能性がある。
一方で、リスクも大きいと予想できる。
ビットコインの急落局面では数千億円規模の含み損を抱える懸念があり、規制当局の監視や金融市場のリスクオフ局面では財務の不安定要因となりかねない。
資産を暗号資産に偏重すれば、従来型投資家や取引先からの信用評価低下も避けられないだろう。
今後は、ストラテジーの動きが他社の追随を促すか否かが焦点となりそうだ。
成功事例が示されれば、企業会計や規制制度における暗号資産の位置付けが再定義される契機となるだろう。
逆に追随が少なければ、同社が孤高の存在としてリスクを単独で抱える展開も想定できる。
総じて、暗号資産を基盤とする企業像が根付くか否かは、価格変動と規制環境次第であり、市場はその分岐点に立たされていると言えるだろう。
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