Yahoo!検索に「おでかけAI」登場 観光コース作成を自動化

2025年9月11日、LINEヤフーはスマートフォン版「Yahoo!検索」において、生成AIを活用し観光モデルコースを作成できる「おでかけAIアシスタント」機能の提供を開始した。
旅行計画を自分好みに最適化できる新サービスとなっている。
会話型AIで観光コースを自由にカスタマイズ
LINEヤフーが導入した新機能「おでかけAIアシスタント」は、ユーザーが生成AIとやり取りしながら旅行プランを組み立てられる点が特徴である。
検索窓横の「AIアシスタント」アイコンやトップ画面の専用バナーから利用できるほか、検索結果に表示される「観光コースを作成」や「観光スポット探し」ボタンからもアクセス可能だ。
たとえば「京都の観光モデルコースを教えて」と入力すると、京都の名所を写真や概要付きで提示し、移動時間や交通手段を含めた行程表が自動生成される。
さらに「清水寺も加えたい」「車移動にしたい」といった条件を追加すれば、瞬時にルートを再計算し、柔軟なカスタマイズを行える。
また「京都でおすすめの観光スポットを教えて」と尋ねれば、複数の候補が写真と概要とともに提示される。
「詳細を見る」を選択すると営業時間やクチコミも確認でき、各スポットに設置された「コースに含める」ボタンからワンタップで旅程に組み込める。
旅行者にとって、情報検索から行程作成までを一貫してサポートする点は大きな利便性につながると言える。
さらにLINEヤフーは今夏、生成AIを活用した検索体験に関する調査を実施。
その結果、53%が「旅行モデルコースの提案」や「こだわり条件を追加できる機能」を便利と回答したことから、同機能は利用者の潜在ニーズに応える形で実装された経緯がある。
旅行体験の質向上へ 利便性と持続可能性の両立が次の課題に
LINEヤフーが開始した「おでかけAIアシスタント」は、旅行計画の効率化と観光産業のデジタル化を促す可能性がある。
従来は情報収集や移動手段の検討に時間を要したが、AIが条件変更に応じて行程を即座に提示する仕組みは、時間に制約のある層にとって大きな助けとなるだろう。
検索からコース追加まで一気通貫で進められる設計も、利便性と業界の競争力強化につながるとみられる。
一方で、AI依存には注意が必要だ。
提案に従うだけでは偶然の発見が減り、情報更新の遅れや誤りが残れば利用者の不満を招きかねない。
特定ルートに観光客が集中すれば、混雑や資源の偏在化も起こり得る。
今後はリアルタイム連携や自治体とのAPI統合が進めば、最新情報に基づく信頼性の高いプラン提示が可能となるだろう。
嗜好データの蓄積でパーソナライズが進み、地方の隠れた観光資源が発掘される展開も想定できる。
ただし持続的な振興には、人気スポット集中を避ける仕組みが欠かせないだろう。
観光庁や自治体が事業者と連携し、地域分散を促す枠組みを整備する可能性もある。
最終的には、この技術が利便性を超え、地域社会の持続可能性に寄与できるかどうかが焦点となりそうだ。
LINEヤフー株式会社プレスリリース:https://www.lycorp.co.jp/ja/news/release/019565/?utm_source=chatgpt.com
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