メタプラネット、巨額2053億円を新株で調達 553円設定に市場が反応

2025年9月10日未明、メタプラネットは海外募集による新株発行の価格を1株あたり553円に決定したと発表した。
前日終値614円から約10%のディスカウントが適用され、同日朝の取引で株価は急落している。
新株発行価格を553円に設定 総額2053億円を調達へ
メタプラネットは9月10日、海外募集による新株発行の発行価格を1株553円に確定したと公表した。
基準となった前日9日の終値614円に対し、9.93%のディスカウント率(※)となる。
今回の増資によって発行される株式数は3億8500万株にのぼり、総額約2053億円を調達する見込みだ。
払込金額は1株あたり533.39円で、払込期日は9月16日、受渡期日は17日を予定している。
この結果、同社の発行済株式数は7億5597万4340株から11億4097万4340株へと拡大する。
調達資金のうち約1837億円は、2025年9月から10月にかけて実施予定のビットコイン(BTC)の追加購入に充てられる。
また残りの約204億円は、保有するBTCを活用して収益を生み出す「ビットコイン・インカム事業」の推進に利用される。
発表を受け、市場は敏感に反応した。10日の東京証券取引所では寄り付きから売りが先行し、株価は前日比で大幅に下落。安値は563円となった。
短期間での大規模な株式希薄化とディスカウント設定が、投資家心理に重しとなった格好とみられる。
※ディスカウント率:新株発行時の発行価格が、市場株価に対してどの程度割り引かれているかを示す割合。
該当ポスト:https://x.com/Metaplanet_JP/status/1965479875109941308
巨額資金でビットコイン戦略を加速 一方で株主希薄化リスクも浮上
メタプラネットの新株発行は、2053億円という巨額資金を確保できる点で大きな意味を持つと考えられる。
資金の多くをビットコイン追加購入に充てれば、保有資産の拡大や評価益の確保につながる可能性がある。
また、ビットコイン・インカム事業への投資で収益基盤の多角化も進み、暗号資産を軸とした戦略強化に寄与すると見込まれる。
長期的に価格が上昇すれば、企業価値の底上げ要因になるだろう。
一方、短期的なリスクは小さくないと考えられる。
新株発行による希薄化やディスカウント提示は株価下落を誘発し、実際の急落はその懸念を市場が織り込んだ動きと推測できる。
また、ビットコインは規制や市場環境に左右されやすく、下落局面では巨額投資が重荷となる恐れがある。
今後は、調達資金を用いた戦略がどの程度成果を挙げられるかが焦点になるだろう。
短期的には株価がディスカウント要因を消化できるかが課題であり、中期的には市場動向や事業収益化の進展が企業評価を左右すると見られる。
強気相場が続けばブランド力強化につながる可能性もあるが、規制強化や急変動では逆に成長を阻害するリスクが残るだろう。
メタプラネットの将来像は、今後の実績次第で定まっていくと考えられる。
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