デジタル庁 Android対応マイナンバーカードとAI搭載マイナアプリを26年公開

2025年9月5日、デジタル庁は活動報告会を開催し、マイナンバーカードのAndroidスマートフォン搭載を2026年度中に実現する方針を示した。
あわせて新アプリ「マイナアプリ(仮称)」を同年8月に公開し、行政サービスや本人確認機能を統合する計画を明らかにした。
Android搭載は26年度 新「マイナアプリ」も公開へ
デジタル庁は5日の活動報告会で、マイナンバーカードをAndroidスマートフォンに搭載する計画を公表した。
既にiPhoneでは2025年6月から利用可能となっているが、Androidについては電子証明書機能に限定されており、氏名や生年月日など券面情報の証明には未対応であった。
これを2026年度中、具体的には「26年秋」を目標に、iPhoneと同等の機能を提供する。
また、新たに「マイナアプリ(仮称)」を26年8月に公開予定と発表した。
このアプリは従来のマイナポータル機能を統合し、本人確認に用いる「デジタル認証アプリ」の機能も組み込む構想だ。
さらにAIを活用し、利用者に必要な手続きをプッシュ通知で案内する仕組みを導入する方針である。
iPhone版のマイナンバーカード利用者は、2025年7月末時点で145万人に達しており、普及拡大の動きが顕著になっている。
加えて、事業者向けには「Gビズポータル」を新設し、補助金や社会保険など各種手続を一元的に処理できる仕組みを整える。
25年度中にα版を提供し、従来の「GビズID」の情報から、利用者に必要な手続きを自動で提示する「手続リコメンド」や「手続ジャーニー」といった機能を搭載する予定だ。
さらに、26年度には出生証明書の電子化や予防接種事務のデジタル化、電子母子健康手帳の普及なども進められる見通しだ。
デジタル庁 2025年デジタル庁活動報告:https://www.digital.go.jp/policies/report-2025#government-ai-promotion
デジタル行政の進化 ユーザー拡大と事業環境改善の行方
今回の取り組みは、行政サービスのデジタル化を加速させる転換点になる可能性が高い。
短期的には、Androidへのマイナカード搭載がユーザー層を広げ、利便性向上によって利用者数が増えると見込まれる。
特に子育てや医療手続きがオンラインで完結すれば、生活負担の軽減が実感され、デジタル行政への評価も高まるだろう。
中期的には、行政と民間の連携が深化するシナリオが想定できる。
事業者向け「Gビズポータル」やリコメンド機能が普及すれば、補助金申請や社会保険の効率化が進み、事業環境の改善につながる展開も考えられる。
行政が企業活動を支える「基盤」としての役割を強めていくだろう。
さらに長期的には、AIによる手続き案内やデータ一元管理が一般化し、「必要なサービスが自動的に届く」行政像が現実化する可能性がある。
その一方で、個人情報保護やシステム障害への対応が不十分なら不信感が高まり、普及の妨げとなる懸念もある。
今後の焦点は利便性と信頼性の両立にかかっているといえるだろう。
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