カシオ×Sandboxの新メタバース体験 NFTと無料ゲームでG-SHOCKを再現

2025年8月28日、カシオ計算機はWeb3ゲーミングメタバース「The Sandbox」と共同で無料ゲーム「G-SHOCK CITY」を発表した。
NFT販売や体験型コンテンツを通じ、ブランドの歴史をメタバース上で再現する試みである。
カシオとSandbox、G-SHOCKをテーマにメタバース展開
カシオは28日、都内で「G-SHOCK CITY先行体験会&記者会見」を開催し、世界的ブランド「G-SHOCK」を題材とした新たなメタバース企画を披露した。
プロジェクトは2023年から続く「VIRTUAL G-SHOCK」の一環で、これまでNFTスニーカー販売などWeb3領域での実験を進めてきたが、今回はThe Sandboxと組み、無料ゲームとNFTアバターの提供を開始する。
9月3日には「DW-5600」など代表的な4モデルに加え、架空モデルをモチーフにしたNFTアバター「G-SHOCK Droid コレクション」を発売。
さらに9月24日には、プレイヤーがアバターとなってブランド開発史を追体験できる無料ゲーム「G-SHOCK CITY」が公開される予定だ。
当日は伊部菊雄氏(G-SHOCK開発者)とセバスチャン・ボルジエ氏(The Sandbox COO)が登壇し、開発秘話とメタバース連携の意義を語った。
Sandboxは「どんなクリエイターでも自由にゲームを作れるプラットフォーム」を目指している。
今回の目的は、メタバース空間に新しい文化を加えることだという。
同社は「キャプテン翼」「北斗の拳」など日本IPとのコラボ実績を持つが、日本のファッションブランドとの提携は初めてである。
橋渡し役は国内Web3事業者のパシフィックメタが担ったという。
メタバース体験が拓くブランド価値のデジタル転換
今回の取り組みは、リアルとバーチャルをつなぐ新しいマーケティング手法として注目できる。
無料ゲーム「G-SHOCK CITY」では、耐衝撃試験を模したサバイバルレースなどを通じて遊びながらブランドのDNAに触れられる設計となっており、従来のファンに加え、Web3に親和性の高い若年層や海外ユーザーへの認知拡大も見込まれる。
ただし、NFT市場の停滞や価格変動、メタバース利用者層の限定性といった課題は残るだろう。
無料ゲームであっても完成度が低ければ短期間で飽きられる可能性が高く、継続的なアップデートや運営体制の強化が不可欠と考えられる。
今後は9月に予定されるNFTアバター販売とゲーム公開が試金石となり、ユーザー数やSNSでの話題化が次の施策を左右するとみられる。
短期的には既存ファンとWeb3層の取り込みが進み、中期的には他ブランドの追随によってメタバース活用が広がるシナリオも考えられる。
長期的には、バーチャル体験がリアルな購買行動に結びつくかが焦点となり、成功すれば「ブランド価値のデジタル転換」の先駆けとなるだろう。
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