トランプメディア、64億ドル規模のCRO戦略を発表 CRO急騰で市場に波紋

2025年8月26日、米トランプメディア・テクノロジーグループはヨークビル買収会社およびクリプトドットコムと提携し、64億2,000万ドル規模のCROトレジャリー戦略を発表した。
新会社「トランプメディアグループCROストラテジー」を設立し、CROトークンの取得に特化した事業展開を進める。
トランプメディア、新会社設立でCRO戦略を推進
トランプメディア・テクノロジーグループは26日、ヨークビル買収会社およびクリプトドットコムと企業結合契約を締結し、CROトークンの取得に特化した新会社を立ち上げると明らかにした。
新会社は「トランプメディアグループCROストラテジー」と称し、64億2,000万ドル規模の事業を展開する。
資金調達の内訳は、10億ドル相当のCRO(約63億1,300万CRO)、現金2億ドル、必須権利行使ワラント2億2,000万ドルで構成される。
さらに、ヨークビル関連会社YA II PN社から50億ドルのエクイティラインクレジットが提供され、時価総額比で過去最大規模の仮想通貨トレジャリー案件となる。
今回の発表を受けてCRO価格は30%以上上昇し、現在(28日正午時点)もその勢いは衰えず上昇を続けている。
新会社はナスダック市場で「MCGA」のシンボルにより取引開始を予定しており、創業株主3社は1年間のロックアップ期間と、その後3年間の段階的売却制限を設けることで合意している。
「トランプメディアグループCROストラテジー」は現金準備のほぼ全額をCRO取得に充当し、バリデーターノードの運営を通じてステーキング報酬を獲得する仕組みを採用する。
これによりCRO保有量を複利的に拡大させる戦略を実行する方針だ。
投機熱から実需へ── CRO戦略の真価が問われる局面
今回のCROトレジャリー戦略は、今後の市場に大きな影響を与える可能性がある。
トランプメディアの大規模取得は需要を押し上げ、クロノス(※)基盤のエコシステム拡大を後押しするかもしれない。
高速性や低コストなどの特徴を備えたクロノスが金融や商取引で活用されれば、CROの利用価値が高まる展開も考えられる。
ステーキング運用はネットワーク安定化と収益拡大を同時に狙う仕組みとして注目できる。
ただし、CRO集中投資は価格変動の影響を直に受け、下落局面では資産が急減する恐れがある。
規制強化が進めば運用や収益に制約が生じ、戦略の持続性も揺らぐ恐れもある。
上場企業としての透明性要求が経営判断を縛るリスクも否定できない。
短期的には「トランプ」ブランドが投資家心理を刺激し、価格上昇が続く展開が想定できる。
中期的にはクロノス基盤のアプリが普及するか否かが分岐点となり、実需を伴わなければ上昇は一時的に終わるだろう。
長期的には規制動向とユースケース次第で、CROが主要通貨の一角に食い込む可能性もある。
最終的な成否は、投機的熱狂を超えて実需を創出できるかにかかっているとみられる。
※クロノス(Cronos):クリプトドットコムが展開する高性能ブロックチェーン。
スピード、拡張性、相互運用性に優れ、低コストでのスマートコントラクト実装や主要ブロックチェーンとの接続を特徴とする。
Yorkville Acquisition Corp. プレスリリース:https://www.globenewswire.com/news-release/2025/08/26/3139279/0/en/Trump-Media-Group-CRO-Strategy-to-Acquire-6-42-Billion-for-CRO-Digital-Asset-Treasury.html?utm_source=chatgpt.com
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