AIの誤案内でフライト逃す 海外の人気カップルが涙、情報確認の重要性浮き彫りに

2025年8月14日、米ニュースサイト「ニューヨーク・ポスト」は、人気インフルエンサーのメリー・カルダス氏と恋人が、ChatGPTの助言を信じた結果、プエルトリコ行きのフライトに乗り遅れた一件を報じた。
生成AIに依存しすぎたことで予期せぬトラブルが生じた格好だ。
AIの誤情報でESTAを失念、人気カップルが空港で涙
約90万人のTikTokフォロワーを持つインフルエンサーのカルダス氏は、恋人であるアレハンドロ・シド氏とプエルトリコ旅行を計画する際、ChatGPTに「ビザは必要か」と質問した。
AIは「不要」と回答したため、そのまま空港へ向かったが、搭乗手続きの段階でESTA(電子渡航認証 ※)が未申請であることが判明し、フライトに搭乗できなかったという。
カルダス氏は空港内を涙ながらに歩く様子をTikTokに投稿し、1万3000回以上再生されている。
コメント欄には「誰がそんなことでAIを信用するのか」といった批判的な声が多く寄せられた。
一方で「質問の仕方が悪かっただけ」とAIを擁護する意見もあり、議論が広がっている。
両氏はその後、無事渡航し、現地で開催された人気歌手バッド・バニー氏の公演を楽しんだという。
カルダス氏は「ときどきAIを侮辱していたから仕返しを受けたのかもしれない」と冗談めかして語り、AI活用に対する慎重な姿勢の必要性を改めて示した。
※ESTA(電子渡航認証):米国が導入した電子渡航認証システムの名称。身分情報や渡航目的、滞在中の活動内容などをオンライン上で事前に申告させたうえで渡航可否を認証する制度のこと。
AI時代に求められる「確認力」 利便性と安全性を両立する新たなリテラシー
生成AIが旅行や日常生活に広く浸透するにつれ、ユーザー側の「確認作業」を前提とした適切な活用方法が重視されるようになるだろう。
特に渡航関連情報は法制度の更新が頻繁であり、AIの回答だけに依存すれば誤判断につながるリスクは今後もしばらく続くとみられる。
そのため、政府機関による公式情報との併用が、旅行計画におけるリスク低減策として定着していく可能性が高い。
一方で、生成AIの性能は急速に進化しており、最新情報を正確に反映する仕組みや情報源の透明性が高まれば、信頼性はこれまで以上に向上することが期待できる。
ユーザーがAIの特性や限界を理解した上で使い分けることができれば、利便性と安全性を両立した形でサービスを活用できるようになるだろう。
今後は、旅行計画だけでなくビジネス判断においても、「AIを使いこなす力」そのものが一つのリテラシーとして位置付けられるようになるだろう。
AIの助言を鵜呑みにするのではなく、複数の情報源を照合しながら意思決定する能力が、ユーザーの新たなスキルとして評価される時代へと移行していくと考えられる。
TikTokの動画:https://www.tiktok.com/@merycaldass/video/7537767601561144598?lang=en











