ビットフライヤー、ETHステーキングサービス提供開始 国内取引所での選択肢拡大へ

2025年8月12日、国内暗号資産取引所ビットフライヤーは、イーサリアム(ETH)のステーキングサービス提供を開始したと発表した。
対象は同取引所でETHを保有し、報酬受取設定を有効化したユーザーとなる。
ビットフライヤー、ETH保有者向けに報酬付与サービス
ビットフライヤーは8月12日、同取引所でETHを保有するユーザー向けにステーキング(※)サービスの提供を始めた。
利用にはスマートフォンアプリまたはウェブサイトのアカウント設定画面から「ステーキング設定」を有効化する必要がある。
有効期間は6カ月で、期限後は自動的に無効化されるため、継続を希望する場合は有効期限の1週間前から当日までに更新手続きが必要だ。
同取引所によれば、ユーザーが受け取る報酬の年利率は、イーサリアムネットワークから得られる報酬年利率から事務管理費相当(約30%)を差し引いた数値となる。
参考として8月10日時点の年利率は2.03%で、ネットワーク側報酬年利率2.9%から算出された。
報酬は集計期間の翌月第2金曜日に付与される。
集計期間は月初から月末までで、この間のETH保有量に応じて計算される仕組みだ。
なおアプリの最新版では、ステーキング設定の項目が表示されるようになっている。
※ステーキング:暗号資産をロックして取引承認に参加し、報酬を得る仕組み。
https://plus-web3.com/media/staking/
利便性向上と報酬競争がカギ ETHステーキング市場の行方
今回のサービス追加は、国内におけるETH運用の多様化を促進する契機となる可能性が高い。
特に長期保有者にとっては、保有資産から安定的な報酬を得られる環境が整うことで、売却を控えて資産価値の上昇を狙う動きが広がるとみられる。
また、ビットフライヤーのような主要取引所が提供することで、ユーザーは自己運用よりも簡便で安全性の高いステーキング環境を利用できるようになり、参入障壁はさらに下がるだろう。
一方で、報酬年利率はネットワークの状況や取引所の手数料設定に左右されるため、利回りの安定性が課題として残る可能性がある。
加えて、ステーキング対象資産は一定期間引き出せないケースが多く、市場急変時には流動性確保の難しさが顕在化する恐れもある。
今後は、報酬分配の透明性や手数料率の競争が取引所間の差別化要因となる見込みだ。
特に長期的な顧客囲い込みを狙う取引所では、利回りの安定化や追加特典の付与といった付加価値型サービスが強化される展開が考えられる。
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