NSSOL、生成AI活用の開発エージェント「NSDevia」提供開始 業務効率と品質向上を支援

2025年7月28日、日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)は、生成AIを活用した開発用AIエージェント「NSDevia(エヌエスデヴィア)」の提供を開始したと発表した。
AIによるコード補完やドキュメント生成機能を備え、開発現場の生産性向上とQCD最適化に寄与するとしている。
開発支援AI「NSDevia」がコードから文書まで対応
「NSDevia」は、ソースコードの補完・デバッグ支援に加え、要件定義書や設計書、テストケースなどの技術文書作成を支援するAIエージェントである。
AIが生成するドキュメントは「AI Readyなドキュメント(※)」として構造化されており、人間とAIの双方にとって読み書きしやすい形式で自動管理されるのが特徴だ。
本ツールは、株式会社Jiteraが開発するAIエージェント「Jitera」を、NSSOLのセキュリティ基準を満たす独自プラットフォーム「Nestorium」上に構築して実装した。
変更履歴の自動追跡機能も備え、ドキュメント管理の煩雑さを軽減する。
また、コーディング規約などの指示文書を事前に登録すれば、プロンプト入力だけで高精度な成果物を生成できる。
さらに、AIチャット機能も搭載されている。
「NSDevia」は、Webブラウザに加え、Visual Studio Code、JetBrains IDE、Eclipse IDEに対応した専用プラグインも提供する。
NSSOLは、「NSDevia」の活用シーンとして、ブラックボックス化した既存システムのリバースエンジニアリングや、レガシーシステムのモダナイゼーション、新規開発における品質・コスト・納期(QCD)の最適化、さらには運用保守業務における知見継承などを挙げる。
提供形態は、SaaS型、専用環境構築型、オンプレミス型の3種類だ。
※AI Readyなドキュメント:AIにとって理解しやすく設計された構造化ドキュメント。要件定義・設計・仕様情報をテキストベースで記述し、AIによる自動解析・再利用が容易になる形式。
AIドキュメントが現場を革新 開発エージェント「NSDevia」の可能性
NSSOLが発表した開発支援AIエージェント「NSDevia」は、生成AIの活用が本格化する中で、企業の開発現場における生産性と品質の両立を目指すツールとして注目できる。
最大の利点は、コード補完からドキュメント生成までを一気通貫で支援できる点にある。
一方で、こうしたAIエージェントの導入には、初期コストや運用負荷といった課題も残る。
特に、「AI Readyなドキュメント」を効果的に機能させるためには、既存の開発プロセスの見直しや、プロンプト設計に関する知見の蓄積が不可欠となる。
それでも今後、「NSDevia」のような開発支援AIは、企業の標準的な開発環境の一部として定着していくと見られる。
特に、日本企業が抱えるレガシーシステムの刷新や属人化の解消といった課題に対し、AIがナレッジの可視化やドキュメント自動化を通じて補完的な役割を果たすニーズは今後さらに高まっていくだろう。
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