マスク氏のxAIが総額100億ドル調達 AI開発・データセンターに投資加速

米国時間2025年6月30日、米モルガン・スタンレーは、イーロン・マスク氏率いる人工知能企業xAIが、債務および株式でそれぞれ50億ドル、合計100億ドルの資金調達を完了したと明かした。
xAIが100億ドルを調達 GrokやDC開発に充当へ
モルガン・スタンレーは、6月30日にSNS「X(旧Twitter)」上で、xAIは50億ドルの有担保証券(※1)およびタームローン(※2)を通じた債務調達と、戦略的な株式出資による追加50億ドルの資金確保に成功したことを発表した。
債務には著名な国際機関投資家が多数参加し、募集枠を上回る応募が寄せられたという。
調達した資金は、生成AIモデルを搭載するプラットフォーム「Grok(※3)」の開発継続や、データセンター(DC)インフラの拡充、さらにAIソリューション全体の強化に充てられる見通しである。
現在、生成AI業界ではOpenAIやAnthropicなどとの競争が激化しており、特に演算能力を支えるインフラ投資が企業競争力に直結する状況にある。
xAIもデータセンターの構築を通じて、自社の大規模言語モデル運用基盤の整備を急ぐ構えだ。
※1 有担保証券:資産を担保とすることでリスクを軽減し、投資家に発行される証券の一種。
※2 タームローン:一定期間内に返済される期限付きの貸付金。
※3 Grok(グロック):xAIが開発した生成AIモデルで、SNS「X」と統合された対話型プラットフォーム。
評価額は最大2000億ドルか AIインフラ競争に備えた布石
今回の調達とは別に、xAIは株式による追加の資金調達を模索しており、総額200億ドル規模を視野に入れている。
仮にこの計画が実現すれば、同社の企業評価額は1200億ドルを超え、一部では2000億ドルに達する可能性も指摘されている。
マスク氏はこれまで、Xやテスラなどの事業を通じて培ったネットワークと技術資産を活用し、xAIを短期間で急成長させてきた。
自社開発のGrokは、X上での生成AI機能と連携する設計となっており、SNS連動型AIとして独自の展開を見せている。
一方で、巨額調達に伴う返済負担や将来的な希薄化リスクも懸念される。
生成AI分野ではNVIDIAのGPU依存やインフラコストの高騰が事業継続性に影響を及ぼす可能性もあるため、資金の使途と成長戦略の整合性が問われる局面にあるといえる。
今回のxAIの動きは、生成AIインフラ競争の新たな転機になり得る。テクノロジー企業の資本戦略に一石を投じるものと言えるだろう。