楽天グループはユーザーがより安心・安全に取引できる環境づくりに向け、警察庁と情報連携に関する協定を締結し、運用を開始した。
「楽天市場」と「楽天ラクマ」において、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した情報を迅速に共有し、捜査への協力と被害の未然防止を図る。
警察庁と協定締結し運用開始
2026年7月9日、楽天グループ株式会社は警察庁と情報連携に関する協定を締結し、同日から運用を開始したと発表した。
本協定は、政府の「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」に掲げられた、ECサイトにおけるID・パスワードやクレジットカード情報の不正利用対策に関連する取り組みである。
協定に基づき、楽天は「楽天市場」と「楽天ラクマ」において、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した情報について、より迅速に警察庁へ共有する体制を構築する。
これにより、捜査への協力と被害の未然防止対策を図るとしている。
楽天はこれまでも、両サービスで24時間365日のモニタリングを実施し、不審なログインや不正注文への対応、利用者への注意喚起などを日常的に行ってきた。
今回の協定締結により、EC領域における不正対策とセキュリティ体制のさらなる強化に取り組む方針である。
楽天グループでは以前から公的機関との連携を強化しており、2017年8月には警視庁とサイバー犯罪に対する共同対処協定を締結した。
また、2026年5月には楽天銀行が警察庁と特殊詐欺被害金の迅速な追跡・凍結・回復を目的とした官民協働型枠組みに関する合意書を締結し、同年6月1日から運用を開始している。
官民連携の強化がEC市場の信頼性向上を後押し
今回の協定によって、楽天と警察庁の間で不正利用に関する情報共有が円滑に進めば、被害の早期把握や対応の迅速化につながる可能性がある。
ECサービスでは利用者が安心して購入や出品を行える環境が重要であり、安全対策の強化はサービス価値にも影響するものと思われる。
特に「楽天市場」や「楽天ラクマ」のように、多数の利用者や出店者が参加するプラットフォームでは、不正利用への対応力がサービス全体の信頼性を左右する要素になり得る。
行政機関との連携を深めることで、事業者だけでは把握しにくい犯罪の傾向や手口に対しても、より適切な対応を検討しやすくなるだろう。
一方で、情報共有を進める際には、対象となる情報の範囲や管理方法を明確にすることが求められる。
利用者の安心感を高める取り組みと、個人情報や取引データの適切な保護をどのように両立させるかが重要な論点になりそうだ。
今後、EC市場ではAIを活用した不正検知や本人確認技術など、さらなるセキュリティ強化も進むとみられる。
今回のような官民連携の取り組みが業界全体へ広がれば、オンライン取引に対する安心感を高める一助となることも十分に考えられる。
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