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生成AIの学習・生成に知財保護ルール 政府が安心活用へ透明性整備を推進

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PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

政府は総理大臣官邸で第55回知的財産戦略本部を開催し、「知的財産推進計画2026」を決定した。
高市総理は、生成AIの学習・生成過程や権利侵害への不安を解消し、権利者と利用者が安心してAIを活用できる環境を整える方針を示した。

AI時代の知財ルール整備へ

2026年6月12日、政府は知的財産戦略本部で「知的財産推進計画2026」を決定した。
同計画は、この夏に取りまとめる日本成長戦略を後押しする知財分野の取り組みとして位置付けられている。
柱の一つは、AI時代における知財の保護と透明性に関するプリンシプル・コード(※1)の策定である。

高市総理は、AIが何を学習し、どのように生成したのか、生成コンテンツが他人の権利を侵害していないかといった不安に対応する必要性を強調した。
生成AIの利用が企業活動やコンテンツ制作に広がる一方、学習データや生成物の権利関係が不透明なままでは、権利者と利用者の双方にリスクが残る。
そのため、本計画では、知的財産権侵害が生じた場合の損害回復や、侵害者の利益剥奪を確実にする民事救済措置の導入も検討するという。
さらに、個々の権利者が単独で対応しにくい侵害に備え、集団的な権利行使を可能にする仕組みの構築も進める方針だ。

あわせて、政府は戦略17分野で日本の競争優位性を確保するため、IPランドスケープ(※2)を活用し、技術開発競争の勝ち筋を見極めた上で知財投資を集中させる方針も掲げられた。
知財・無形資産の価値を可視化し、有価証券報告書などでの開示の在り方について本年度中に方針を示すとしている。

※1 プリンシプル・コード:AI時代の知財保護や透明性について、権利者と利用者が参照する原則・行動指針。

※2 IPランドスケープ:知財情報と市場・技術情報を組み合わせ、研究開発や事業戦略に生かす分析手法。

安心活用と権利保護の両立が焦点

今回の計画は、生成AIの活用を抑え込むのではなく、権利保護と利用拡大を両立させるための制度基盤づくりと捉えられる。
学習データや生成物の取り扱いに関する考え方が明確になれば、企業はAI導入時の法務リスクを把握しやすくなるだろう。
コンテンツ企業やクリエイターにとっても、無断利用や権利侵害への対応手段が整えば、AIとの共存に向けた交渉力を高められる可能性がある。

一方で、ルールが過度に厳格化すれば、スタートアップや中小企業のAI開発に負担が生じるおそれもある。
特に、学習履歴や生成過程の透明性をどこまで求めるかは、技術的な実現可能性と事業上の機密保持とのバランスが問われると考えられる。
権利者保護を重視しすぎれば、国内AI産業のスピードを鈍らせる懸念も否定できない。

今後の焦点は、プリンシプル・コードが実務で使える指針になるかどうかであろう。
抽象的な理念にとどまれば企業の判断は難しく、逆に細かすぎれば技術革新の余地を狭めかねない。
政府には、AI開発企業、コンテンツ産業、権利者、利用企業の間で共通理解をつくり、安心して使える生成AI市場を育てる制度設計が求められそうだ。

首相官邸 知的財産戦略本部

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