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清水建設、鉄筋工事に「フィジカルAI」導入へ

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2026年6月12日、日本の清水建設は、スイス連邦工科大学チューリッヒ校発のスタートアップMESH AGへの出資を発表した。ロボットアームを制御する「フィジカルAI」を鉄筋工事へ導入し、加工から組立までの自動化を目指す。

鉄筋工事の全工程をAIとロボットで自動化へ

清水建設は、MESH AGとの協業を通じて、鉄筋の加工・運搬・組立・結束・溶接を自動化する技術システムの開発に着手する。

MESH AGは、スイス連邦工科大学チューリッヒ校発のスタートアップで、2022年に設立された。鉄筋作業プロセスを自動制御するソフトウェアを開発しており、ロボットアームと連携することでデジタルファブリケーション(※)を実現する技術を保有している。

同ソフトウェアは、メーカーを問わず複数のロボットと連携できる点が特徴だ。図面データをもとに動作プログラムを生成するだけでなく、カメラやセンサーによって鉄筋の種類や配置、形状を認識し、組立順序や把持位置、結束箇所を最適化する。

さらに、施工中の誤差もリアルタイムで検出・補正できる。今後は2次元配筋だけでなく、梁や柱、基礎などの3次元配筋にも対応するシステム開発を進める方針だ。清水建設の建設現場やグループ施設で実証研究を行い、日本仕様への適合を図りながら社会実装を目指していく。

※デジタルファブリケーション:コンピューターの設計データをもとに、ロボットや工作機械を制御して製造・施工を行う生産手法。

フィジカルAIは建設現場をどう変えるのか

今回の取り組みが実用化されれば、人材確保や生産性向上が課題となる建設業界に新たな選択肢をもたらす可能性がある。重量物を扱う鉄筋工事の負担軽減に加え、省人化による作業効率の向上や危険作業の削減などが期待される。また、熟練工が担ってきた作業手順の再現や共有につながる可能性もあり、技能継承を支える技術として注目される余地もある。

一方で、普及に向けた課題も存在する。建設現場は案件ごとに条件が異なり、複雑な環境変化への対応力が求められる。さらに、高額な設備投資や保守体制の整備、安全基準の策定なども導入判断に影響を与える要素になりそうだ。

それでも、AIがデジタル空間だけでなく現実空間の作業を支援する「フィジカルAI」の進展は、建設生産プロセスのあり方に変化をもたらす可能性を秘めている。人の技能をロボットが一方的に置き換えるのではなく、相互に補完しながら協働する形が確立されれば、今後の実証結果や導入効果次第では、新たな施工手法の一つとして広がっていく可能性もあるだろう。

清水建設 ニュースリリース

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