TOPPAN、Treasure AI、シンカー、Lazuli、AWLの5社は、リアル・トランスフォーメーション(RX)推進に向けた業務提携を締結したと発表した。
2026年5月下旬から、小売やメーカー向けに、店舗や営業現場のデータをAIで活用する統合サービスの提供を開始する。
5社連携でリアル接点の統合活用へ
2026年5月26日に発表されたTOPPAN主導の提携では、実店舗や営業拠点などリアル空間で生まれるデータを可視化・活用し、顧客体験の向上と業務効率化を実現する「リアル・トランスフォーメーション(RX)」の推進を中核に据える。
各社はそれぞれ異なる領域の技術を持つ。TOPPANはリアルとデジタルを横断する顧客体験設計と施策実行を担い、Treasure AIはCDP(※1)と音声データ連携サービスを提供する。
さらに、シンカーは非構造データのAI分析、Lazuliは商品データ基盤、AWLはエッジAIカメラによる行動分析やセキュリティ機能を担う構成だ。
背景には、AI技術の普及による顧客接点の変化がある。Web体験の均質化が進む一方、店舗や営業現場といったリアル接点の価値が改めて注目されている。
加えて、音声や映像など従来はマーケティング活用が難しかった非構造データの利用可能性が高まっている。
5社は2026年5月下旬から、小売業やメーカーなどを対象に統合サービスを展開する。
リアル空間で取得したデータを商品データベースや顧客データ基盤と接続し、リアルとデジタルを横断した一貫性のある顧客体験の構築を目指す。
※1 CDP:Customer Data Platformの略。複数の顧客接点から取得したデータを統合・管理し、マーケティング施策などに活用するための基盤。
AI時代の顧客理解競争を左右する可能性も
今回の取り組みは、企業のマーケティング戦略において、リアル接点の重要性が再浮上していることを示す動きと言える。
AI利用時間の増加により、従来のWebサイト中心の情報取得が変化すれば、店舗、商談、接客といった現場データの価値は一段と高まる可能性がある。
特に、小売やメーカーにとっては、商品データ、顧客データ、現場行動データを統合的に扱える点が大きな利点になりうる。
購買行動の分析精度向上や施策ROI(※2)改善、従業員体験の最適化など、多面的な成果が期待されるだろう。
一方で、複数サービスの連携には課題も存在する。異なるデータ形式の統合、運用体制の整備、データガバナンスへの対応など、導入企業側にも一定の負荷が生じると考えられる。
音声や映像データの活用拡大に伴い、プライバシー管理や情報取扱いへの配慮も重要性を増すはずだ。
今後、5社が提唱する「RX」モデルが小売・メーカー領域で成果を示せれば、リアル空間のデータ活用を軸としたマーケティング手法が国内企業へ広がる可能性がある。
AI時代における持続的な顧客理解と事業成長の新たなモデルとなるかが注目される。
※2 ROI:Return on Investmentの略。投資に対してどれだけの成果や利益が得られたかを示す指標。
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