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スペースXが1.75兆ドルIPOへ 宇宙・AIインフラ企業として市場評価が本格化

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米宇宙開発企業スペースXは、IPO申請書類を公開した。想定評価額は1兆7500億ドルで、実現すれば米国初の時価総額1兆ドル超え上場となる見込みだ。

1.75兆ドル上場へ申請公開

2026年5月20日、イーロン・マスク氏が率いるスペースXは、米証券取引委員会に提出した「S-1」(※1)を公開し、新規株式公開に向けた手続きを本格化させた。
上場先はナスダックおよびナスダック・テキサスで、ティッカーシンボルは「SPCX」とされる。6月4日にロードショーを開始し、11日に株式売却、早ければ12日の上場を目指す計画である。

今回のIPOにおいて、想定評価額、1兆7500億ドルという巨額の水準は注目を集めている。主幹事にはゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、JPモルガンが名を連ねる。

株式構造はクラスA株とクラスB株のデュアルクラス構造(※2)で、一般投資家向けのクラスA株は1株1票、マスク氏および一部関係者が保有するクラスB株は1株10票の議決権を持つ。
提出書類によると、マスク氏は議決権の85.1%を保有し、上場後も同氏の支配力が極めて強い状態は維持される見通しだ。

※1 S-1:米国で企業がIPOを行う際、SECに提出する登録届出書。事業内容、財務情報、リスク要因、株式構造など、投資判断に必要な情報が記載される。
※2 デュアルクラス構造:議決権の異なる複数種類の株式を発行する仕組み。創業者や経営陣が上場後も強い経営支配権を維持しやすい。

AI基盤化に期待と統治リスク

スペースXの上場は、宇宙開発企業の資金調達という枠を超え、AI時代の基礎インフラを誰が握るのかという市場の関心を映している。近年のSpaceXは単なる宇宙開発企業ではなく、スターリンク通信網やデータセンター構想を通じ、AI時代の基盤インフラ企業としても注目されている。
提出書類では、事業全体で28兆5000億ドル規模の潜在市場を対象とし、その収益の大部分がAI関連になるとされている。

スターリンクによる衛星インターネット、ロケット打ち上げ能力、AI学習用データセンター・クラスターが一体化すれば、同社は通信・計算資源・宇宙輸送を結ぶ独自のポジションを得る可能性がある。

一方で、財務面には慎重な見方も必要だ。1〜3月期の売上高は46億9000万ドルと前年同期から増加したが、損失は1株当たり1.27ドルに拡大した。
3部門のうち黒字を計上したのはスターリンクのコネクティビティ部門のみであり、傘下に入ったAI事業xAIも赤字が続いている。

成長期待を補強する材料として、アンソロピックが2029年5月まで月額12億5000万ドルの利用料を支払う契約がある。
だが、両社は90日前通知で契約解除が可能であり、安定収益としてどこまで織り込めるかは投資家判断が分かれるだろう。

また、現状は企業価値の多くがマスク氏個人のカリスマ性と統合構想に依存している。比較対象となる企業が少ないため、通常の財務指標だけで妥当価格を測りにくい。巨大IPOはAI・宇宙インフラ市場の象徴になりうるが、同時に統治構造と収益化の不確実性を強く抱えた案件でもある。

提出書類(Form S-1)

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