AIコードエディタ「Cursor」を開発するAnysphereは、コーディングエージェント向け新モデル「Composer 2.5」を発表した。
低いトークン単価を維持しながら、長時間タスクや複雑な指示対応で性能を高めたモデルである。
Composer 2.5が低単価で提供開始
Anysphereは2026年5月18日、AIコードエディタ「Cursor」上で利用できる新モデル「Composer 2.5」を発表した。
Composer 2.5は、従来モデルのComposer 2と比べて、長時間のタスクを継続して処理する能力、複雑な指示への追従性、ユーザーとの協働しやすさが改善されたと説明されている。
また、Composer 2.5はMoonshot AIのオープンソースチェックポイント「Kimi K2.5」を基盤にしている。
Cursorは、Composer 2.5に使われた計算資源の85%が追加学習と強化学習(※)によるものだと説明し、基盤モデルをそのまま利用するのではなく、コーディングエージェント向けに調整した点を示した。
公開されたベンチマークでは、Composer 2.5はTerminal-Bench 2.0で69.3%、SWE-Bench Multilingualで79.8%、CursorBench 3.1で63.2%を記録した。
Claude Opus 4.7やGPT-5.5に匹敵するスコアを記録していることも示された。
また、Composer 2.5はComposer 2の25倍の合成タスクで学習されているという。
Cursorは、テキストフィードバックを用いたターゲット型強化学習を導入し、ツール呼び出し、コーディングスタイル、コミュニケーションの改善に使ったとしている。
価格は通常版が入力100万トークン当たり0.50ドル、出力100万トークン当たり2.50ドルである。
高速版は入力100万トークン当たり3.00ドル、出力100万トークン当たり15.00ドルに設定され、Composer 2と同様にデフォルトの選択肢になる。
初週はComposer 2.5の使用可能量が2倍になることも案内された。
※強化学習:AIにタスクを実行させ、成功や失敗に応じた報酬を与えることで、望ましい行動を学習させる手法。Composer 2.5では、長い作業の中で適切な判断やツール選択を促すために用いられている。
低コストAI開発支援の競争が加速
Composer 2.5の登場は、AIコードエディタの競争軸が変化していることを示すものとなるだろう。
これまでの開発支援AIは、外部の高性能モデルをどれだけ使いやすく接続できるかが重要だった。
一方で、Cursorは自社製品の利用環境に合わせてモデルを調整し、開発現場での実用性を高める方向へ踏み込んだと言える。
新モデルのメリットは、性能と費用のバランスだろう。
コーディングエージェントは、コードの読み取り、編集、テスト、修正を繰り返すため、利用量が多くなりやすい。
低いトークン単価で一定以上の性能を確保できれば、個人開発者だけでなく、企業の開発チームにとっても継続利用しやすい選択肢になる可能性がある。
今後は、AI開発支援ツールの競争が「高性能モデルの採用」だけでなく、「低コストで安定して使える専用モデルの提供」に広がると考えられる。
Composer 2.5は、コーディングエージェントが日常的な開発基盤に近づくうえで、価格と実用性能の両面から重要な転換点になる可能性がある。
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