2026年4月27日、日本の大和大学は学生・教職員向けAIチャットボットの実証実験を5月下旬に開始すると発表した。生成AIを活用し、学内問い合わせ対応を24時間化することで、利便性向上と業務効率化の両立を目指す取り組みである。
AIチャット導入で学内対応刷新へ
大和大学は、システム ディが提供する学校事務トータルシステム「Campus plan」を活用し、AIチャットボット機能の実証実験を開始する。対象は学生および教職員で、大学ポータル上から利用可能となる。学内規程や学生便覧などを学習した生成AIが、問い合わせに対して即時に回答する仕組みである。
同大学は2024年にデジタル学生証を導入し、出席管理や図書館利用のデジタル化を進めてきた。今回の取り組みはこうしたDXの延長に位置付けられ、学内サポートのオンライン化を一段と推進するものだ。従来は電話や窓口対応に依存していた問い合わせ業務が、時間や場所に制約されない形へ移行する可能性がある。
本チャットボットは、ユーザー属性に応じた回答最適化やチャット履歴の管理機能を備える点も特徴となる。学生と教職員それぞれに適した情報提供が可能であり、従来のFAQ型システムより柔軟性が高い。また、AIが自ら回答精度を評価する機能も実装されており、運用を通じて継続的に精度を高める設計となっている。
効率化と依存リスク、普及の鍵
今回の実証は、大学における問い合わせ対応のあり方を変える契機となる可能性がある。24時間対応が実現すれば、学生の利便性は向上が見込まれ、教職員の業務負担軽減にもつながる可能性がある。特に履修登録や各種手続きが集中する時期には、対応の分散による業務効率化が期待される。
一方で、生成AIの特性上、誤回答や情報の更新遅れといったリスクが生じる可能性は高い。制度変更や個別事情を伴う問い合わせでは、AIだけでは十分に対応できない場面も想定される。そのため、AIを一次対応としつつ、人による最終確認を組み合わせる運用設計が重要になると考えられる。
今後は、こうしたAIチャットが他大学にも波及し、学内サポートの標準機能として定着する可能性がある。さらに蓄積された問い合わせデータを分析することで、学生ニーズの可視化や制度設計の改善につながることも期待される。利便性と教育的価値のバランスをどう保つかが、普及の成否を左右する論点の一つになると考えられる。
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