東京都は2025年度の「家庭における青少年のスマートフォン等の利用等に関する調査」の結果を公表した。小学校低学年の生成AI利用率が55.8%となり、高校生の52.2%を上回る結果となったことが明らかになった。
小学生低学年の生成AI利用が高校生上回る
東京都は2026年4月23日、青少年のデジタル利用実態に関する調査結果を公表した。
調査は都内の小中高校生の保護者2000人を対象に、2026年1月22日から2月3日までインターネットパネル方式で実施されたものである。生成AIの利用状況を問う設問は今回初めて導入された。
調査結果によると、小学校低学年(1〜3年生)の生成AI利用率は55.8%に達し、高校生の52.2%を上回った。また、小学校低学年の保護者の利用率は72.6%で、高校生の保護者の58.8%よりも高い水準となっている。
一方で、生成AIに関連するリスク認識についても調査されている。偽・誤情報への対応が重要だと認識する保護者は90.8%にのぼるが、約5人に1人は特に具体的な対策を講じていないと回答した。
東京都は生成AIによる画像加工などを通じて、青少年の顔写真が不適切に利用される事例が確認されていると指摘した。被害者にも加害者にもなり得る点から、利用に際しての注意喚起を呼びかけている。
普及加速の利点と教育リスクの両面
今回の結果は、生成AIの利用が年齢に依存しない形で広がりつつある構造を示していると捉えられる。特に低年齢層での利用が上位となった点は、デジタルツールとの初期接点が従来より前倒しになっている可能性を示唆していると言える。
学習補助や情報検索の効率化といった面では、早期からの利用が一定の利便性を持つと考えられる。家庭内での学習支援ツールとして機能する余地もあり、教育環境の補完的役割を担う可能性がある。
一方で、情報の真偽判断が十分に確立されていない段階での利用拡大は、誤情報の影響を受けやすい恐れがある。加えて、依存度の上昇や利用目的の偏りが生じる可能性も指摘できる。
今後は教育現場や家庭において、AIリテラシーの形成がより重要になる局面が続くとみられる。技術の普及速度に対して、利用ルールや教育設計の整備が追いつくかどうかが焦点になるだろう。
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