米グーグルが半導体大手マーベル・テクノロジーとAIチップ開発で協議していると報じられた。2種類の新たなチップの開発を目指しているという。
グーグル、TPU連動チップ開発を協議
2026年4月19日、米メディア「The Information」が関係者からの話として報じた内容によれば、グーグルは2種類の新型チップ開発するため、マーベル・テクノロジーと協議を進めているという。
1つは自社の機械学習向けプロセッサーであるTPU(※)と連動するメモリー処理ユニットで、もう1つはAIモデルの実行に特化した新型TPUである。
両社は早ければ来年にもメモリー処理ユニットの設計を完了させ、試作段階に移行することを目指しているという。
グーグルは、主にエヌビディアが需要の多くを支えるGPUに代わる有力な選択肢として、自社のTPUを推進している。AIへの投資が重視される情勢のなか、TPUはグーグルのクラウド収益における成長の主要な原動力となっている。
なお、現時点では両者とも公式なコメントは出していない。
※TPU:Tensor Processing Unitの略。グーグルが開発したAI・機械学習処理に特化した半導体で、大規模なニューラルネットワーク計算を高速かつ効率的に実行するために設計されている。
GPU依存脱却の可能性と課題
今回の動きは、AIインフラにおけるGPU依存からの脱却という観点で大きな意味を持ちそうだ。
現在、AI処理の多くはエヌビディア製GPUに依存しているため、供給制約やコスト上昇が企業の成長制約になっていると考えられる。しかしTPUの高度化が進み、GPUを上回る効率性が実現できれば、GPUへの依存度は低下し、より効率的かつコスト最適化された基盤構築が可能になるだろう。
一方で、専用チップには汎用性の制約が発生するかもしれない。特定のAIワークロードに最適化されたTPUが登場したとしても、用途の幅ではGPUに劣るケースもあり得るため、完全な代替にはならないだろう。
また、新型TPUの設計から量産に至るまでの開発時間やコストの大きさ次第で、投資回収の不確実性が発生することも無視できない。
とはいえ今後は、クラウド各社が独自チップによる差別化を加速させ、AIインフラの競争軸が「計算力」から「設計力」へとシフトしていく可能性はある。
その中でグーグルとマーベルの協業により生まれた製品が実用段階に至れば、半導体エコシステム全体に波及し、AI市場の勢力図にも影響を与えるかもしれない。
関連記事:
インテルとグーグルがAI基盤で連携強化 CPU再評価とIPU共開発で構造転換へ

米インテル、AIチップ供給に苦戦 業績見通し下振れで株価13%急落
