2026年4月14日、株式会社TOKIUMは「TOKIUM経費精算」のiOS版モバイルアプリにAI-OCR機能を実装したと発表した。証憑の即時データ化により、従来課題だった処理時間を短縮し、経費申請の迅速化を実現する。Android版も5月中に提供予定である。
AI-OCR搭載で証憑処理を即時化
TOKIUMは、経費精算サービス「TOKIUM経費精算」において、AI-OCR(※)による証憑データ化機能をiOS版モバイルアプリに追加した。ユーザーが領収書や請求書をアップロードすると、その場で文字情報が抽出され、即時に経費申請へ反映できる仕組みである。
これまで同サービスは、約8,000名のオペレーターによる人的オペレーションを組み合わせることで、高精度なデータ化を実現してきた。一方で、人手を介するプロセスゆえに処理完了まで時間を要し、特に月末など申請が集中する局面では、迅速な対応が難しいという課題があった。
今回のアップデートにより、ユーザーは従来の高精度なオペレーションに加え、AIによる即時処理を選択できるようになった。スピードを優先する場面と精度を重視する場面で使い分けが可能となり、業務状況に応じた柔軟な運用が現実的になったといえる。なお、Android版モバイルアプリについても2026年5月中の提供開始が予定されている。
※AI-OCR:人工知能を活用して文字情報を読み取りデータ化する技術。従来のOCRと比べ、文脈理解やレイアウト解析に優れる点が特徴。
即時化の利点と精度課題 経理AXの行方
AI-OCRによる即時データ化は、経費申請のリードタイム短縮に直結する。入力作業の待ち時間が解消されることで、従業員はその場で申請を完了でき、経理部門の処理負荷も平準化される可能性がある。結果として、バックオフィス全体の生産性向上につながる効果が期待される。
一方で、AIによる自動認識には依然として精度のばらつきが存在する。特に手書きや非定型フォーマットの証憑では誤認識のリスクがあり、完全な無人化には慎重な設計が求められる。最終確認を人が担うハイブリッド運用が当面の現実解となるだろう。
今後は、同社が掲げる「経理AX」の進展が焦点となる。AIエージェントと連携し、入力から承認、分析までを一気通貫で自動化できれば、経理業務は単なる処理から経営判断を支える役割へと進化する可能性がある。今回の機能追加は、その転換点の一つと位置づけられる。