米国株式市場の不安定な取引環境の中、主要指数がそろって上昇したと、2026年2月9日にロイターが報じた。
先週の急落後、AI関連を中心とするテクノロジー株への資金が戻った形である。
AI急落後の調整、指数押し上げの背景
米国株式市場では、S&P500種とナスダック総合がそろって上昇し、ダウ平均も小幅ながら続伸した。
背景には、AI関連銘柄を中心としたテクノロジー株が、先週の急落局面から持ち直したことがある。
S&P500の情報技術指数は前日比1.6%高、ソフトウエア・サービス指数は2.9%高と、いずれも2営業日連続で上昇した。
とりわけソフトウエア大手オラクルは、DAダビッドソンが投資判断を「中立」から「買い」に引き上げたことを受けて9.6%上昇し、指数全体を押し上げた。
トゥルーイスト・アドバイザリー・サービシズのキース・ラーナー最高投資責任者(CIO)は、オープンAIのサム・アルトマンCEOの発言もテクノロジー株の支援材料になったと指摘している。
また、CNBCによれば、対話型AI「ChatGPT」の月間成長率が再び10%を超えたという。
フィラデルフィア半導体指数は1.4%高で、決算を控えるエヌビディアも2.5%上昇している。
テック回復の追い風と不安要因 指標次第で変わる相場の行方
今回の上昇局面でAI関連株を中心に過度な悲観論が後退し、市場のリスク許容度が回復した点は業界にとってメリットだろう。
売られ過ぎの調整が一巡すれば、成長期待の高いテクノロジー株へ再び資金が向かいやすくなると予測できる。
半導体やソフトウエア分野で、需要が崩れていないことも支援材料になりそうだ。
一方で、リスクもある。
現在は米連邦準備理事会(FRB※1)の金融政策を左右する経済指標の発表を控えている状況である。
11日の雇用統計、13日の消費者物価指数(CPI※2)の内容次第では、利下げ期待が後退する可能性がある。
金利見通しが再び不透明になれば、高バリュエーションのテクノロジー株は再調整を迫られるかもしれない。
CMEのフェドウオッチツール(※3)は、市場が6月に今年初の利下げが行われるとの見方を維持しているが、政策や人事を巡る不確実性も残るため、楽観一色とは言えない。
今後の米株市場は、AI成長への期待と金融引き締めリスクの綱引きが続く局面に入ったと見るのが妥当だろう。
※1 FRB:米国の中央銀行制度を担い、政策金利の決定を通じて金融政策を運営する機関。
※2 CPI:消費者物価指数。インフレ動向を測る代表的指標で、金融政策判断に大きな影響を与える。
※3 フェドウオッチツール:米国の政策金利に関する市場の見通しを示すツール
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