AIカラー化はどこまで許されるのか 初の有罪判決が映す生成AI時代の著作権

2026年1月28日、大阪地方裁判所は、AIでモノクロ映画をカラー化した海賊版DVDを販売した男性に有罪判決を言い渡した。一般映画を対象に「AIによる著作権法違反」を認定した国内初の事例となる。
AIカラー化DVD販売で有罪 国内初の司法判断
大阪地方裁判所は1月28日、モノクロ映画を無断でカラー化し複製した海賊版DVDを販売したとして、大阪府在住の男性に拘禁刑1年6カ月、執行猶予3年、罰金50万円を併科する有罪判決を言い渡した。
逮捕は2025年6月16日で、大阪府警本部と豊中署が捜査を進めていた。
一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、本件について「成人向け以外の一般映画作品において、AIによる著作権法違反で逮捕および有罪が認定された初の事例」と公式に発表している。
男性は「高度映像系人工知能を駆使した復刻DVD」とうたい、東宝が著作権を有する「ゴジラ」などのモノクロ映画をカラー化して販売していた。フリマサイトを通じた取引が中心となっている。
本人は「著作権保護期間の終了したパブリックドメイン作品(※)」であるとして合法性を主張していたが、実際には多くの作品が現在も保護期間内にあった
(※)パブリックドメイン:著作権の保護期間が終了し、原則として誰でも自由に利用できる状態の著作物を指す。ただし保護期間は国や作品ごとに異なり、誤認は違法行為につながる可能性がある。
生成AI活用の光と影 創作支援と侵害の境界
今回の判決は、生成AIを用いた創作・加工ビジネス全体に対し、一定の注意を促す事例になったと考えられる。
一方で、権利処理を前提としたAIリマスターや公式復刻事業にとっては、無断利用との差別化がより明確になるというメリットもある。
正規ルートでのAI活用価値は、むしろ高まる可能性がある。
他方、個人や小規模事業者にとってはデメリットも無視できない。
海外では合法とされるケースであっても、日本では違法と判断されるリスクがあり、AI活用のハードルが上がる局面に入ったと言える。
特に「加工すれば別作品になる」という考え方が、必ずしも認められない可能性が示唆された点は重い。
将来的には、AIによるカラー化や高精細化といった技術そのものが否定されるのではなく、誰が権利を管理し、どのような条件で利用できるのかが、より厳密に問われていくとみられる。
生成AI時代の創作は、自由度の拡大と引き換えに、より高い法的リテラシーが求められる段階に入りつつある。
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