AnthropicがClaude向け「AI憲法」公開 4原則と禁止行為明文化

米Anthropicは大規模言語モデル(LLM)「Claude」向けの文書「Claude’s Constitution」を公開した。
4つの基本原則と禁止行為を明文化し、モデルの訓練と行動判断の基準を体系的に示した内容だ。
Claude新憲法、4原則と禁止行為
2026年1月22日、米Anthropicは、大規模言語モデル「Claude」に求める価値観と振る舞いを体系化した文書「Claude’s Constitution」を、Constitutional AI(※)に基づく憲法として公開した。
文書は主にClaude自身に向けて書かれ、訓練プロセスの中心的役割を果たすとしている。
新憲法は「安全であること」「倫理的であること」「Anthropicのガイドラインに準拠すること」「真に有益であること」の4特性を示し、優先順位の高い順に扱うよう定めた。
指針には、正確性に対する誠実さ、センシティブな話題の扱いにおける慎重さ、複数視点の公平な提示、政治的用語の中立的使用が含まれる。
重大な危険を伴う行為については、「明確な制約(hard constraints)」として禁止事項を定義した。
具体例として、大量破壊兵器の開発支援や大規模インフラ攻撃、児童虐待コンテンツの生成などを挙げている。
Anthropicは、新憲法が従来の単純なガイドライン列挙から進化したものだと説明する。
「Claudeがなぜ特定の行動を取るべきか」を理解することで、より広範な状況に対して良識ある判断ができるよう設計したとしている。
憲法のセクションは、有益性、Anthropicのガイドライン、Claudeの倫理、安全性、Claudeの本質に関する内容で構成される。
制作に当たっては、哲学、心理学、神学、法学など多様な分野の外部専門家からフィードバックを得たとしている。
全文公開により、第三者が意図された振る舞いと実際の出力とのギャップを評価しやすくする狙いも示した。
※Constitutional AI:AIに原則を「憲法」として与え、回答時に原則に照らした理由づけを促す設計思想。単純なルール列挙から、広い状況での判断へ拡張する考え方。
透明性向上の利点と論点
Claude新憲法の全文公開は、第三者が意図と出力の差を検証しやすくし、AI行動の透明性を高める方向に働くと考えられる。
価値観を文章として固定することで、運用側が判断基準を説明しやすくなる点も利点と言える。
禁止事項を「明確な制約」として位置づけた構成は、境界条件を共有しやすく、安全運用の整理にも資する可能性がある。
一方で、価値観の優先順位は状況により衝突しうるため、どの原則をどう適用したかの説明が継続的に求められやすい。
倫理や安全の定義は抽象度が高いこともあるため、解釈の違いが生じれば判断が割れる局面も想定できる。
さらに、Claudeの「性質」に関する章が将来的な意識や道徳的地位に含みを残したことで、技術面の安全だけでなく、倫理の射程をどこまで広げるかも論点になりうる。
結果として本憲法は、禁止線の明確化と価値観の言語化を通じ、AI倫理のスタンダード形成をめぐる議論を促す契機となる可能性がある。
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