売れるネット広告社グループ子会社、AI駆動開発チーム発足 開発体制を刷新へ

2025年12月9日、売れるネット広告社グループ(福岡市)は、子会社SOBAプロジェクトがAI技術を中心に据えた「AI駆動開発チーム」を新設したと発表した。
人とAIが協働する新しい開発体制を構築し、事業全体の速度と生産性を高める狙いがある。
SOBAがAI主導の新組織を始動し開発プロセスを刷新
売れるネット広告社グループは、AIの進化が開発現場を抜本的に変える局面を迎えたと判断し、SOBAプロジェクト内にAI駆動開発チームを立ち上げた。
背景には、自律型コーディングエージェントの台頭があり、従来の「人が手で書く」開発モデルが前提から見直されつつある状況がある。
新組織は、AI駆動エンジニアを中心に「AIを開発の主役へと引き上げる」ことを使命として活動する。
具体的には、AIを活用した自動生成・リファクタリング・デバッグの高速処理や、プロジェクト単位でのAIチューニング、コードレビューやテスト自動化の強化などをミッションとする。
また、グループ全体のAIリテラシー向上に向けた教育施策も推進し、次世代開発ツールの評価や導入を継続的に進める。エンジニア採用でもAI特化人材を優先し、組織能力を体系的に高める構えだ。
売れるネット広告社はAI駆動開発について、開発体制の少人数化と高速化の両立を可能にし、従来比で数倍規模の効率向上を見込めると強調している。
AI活用が収益性と事業速度に波及 人材要件の転換も進む
今回の組織発足の大きな特徴が、エンジニアの役割転換だ。AIによる高速な開発体制を整える中、エンジニアは「AIを管理し、成果を最大化する司令塔」へと役割を変えるという。
市場変化が激しさを増す中、少人数で迅速にプロダクトを投入できる体制は、D2C・越境事業を含む同社の三本柱戦略に直結する強みとなりうる。
開発コストの圧縮とスピード向上の両方に期待ができ、成果を短期間で提供したい企業にとっては魅力的な構造となる。
一方で、AI主導型の開発組織は、単純なコーディング能力よりも、AIを制御し品質を担保する設計力や判断力が重視され、グループ全体の人材要件が再定義される可能性がある。採用と育成において、適切な方針転換が必要となるだろう。
AI依存度が高まることで、ツール精度への継続的な投資や運用負荷が発生するリスクも存在し、継続して効果を見ることが求められそうだ。
同社はAIを新たな成長エンジンと位置づけ、将来的には新規プロダクト創出にもAI駆動型アプローチを拡大する計画である。
今回の取り組みは2026年7月期の業績にもプラス寄与する見込みを立てている。
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