ソニー銀行、米国でステーブルコイン事業を検討 Bastionと提携しデジタル金融基盤を強化へ

ソニー銀行は米国のBastion Platforms, Inc.と業務提携を締結したと発表した。
米ドル建てステーブルコインの事業化を見据え、北米での金融サービス拡張に向けた基盤づくりを進める取り組みで、米国における子会社設立も視野に検討が進んでいる。
ソニー銀行、Bastionとの提携で米ドル建てステーブルコイン事業を検討
2025年12月1日、ソニー銀行株式会社は、米ニューヨーク州に本社を置くBastion Platforms, Inc.と業務提携契約を締結したと発表した。
Bastionはフィンテック企業や証券会社向けにデジタル資産の発行・管理基盤を提供する企業であり、NYDFSの信託ライセンスや複数州の送金ライセンスを保有している。
ソニー銀行は、ソニーグループ各社の北米事業を金融面から支援するため、米国内でのステーブルコイン活用を検討してきた。
今回の提携により、Bastionが提供する発行・償還インフラを活用した米ドル建てステーブルコイン事業の可能性を両社で具体的に協議する段階に入った。
同社はブロックチェーン技術を活用した新領域の金融サービス創出に注力しており、将来的には米国での子会社設立も視野に入れる方針を示している。
Bastionの技術基盤を用いることで、法令遵守を担保しながらステーブルコインの発行や価値移転を安全に実現できる体制が構築される見込みだ。
金融体験の高度化進む一方で、法規制や運用体制の整備が課題に
今回の業務提携は、ソニー銀行が北米におけるデジタル金融サービスを本格展開するうえで大きな一歩と言える。
ステーブルコインを活用した決済は、国際送金の即時化やコスト削減につながる可能性が高く、グループ企業の越境取引にも利便性をもたらすと考えられる。
一方で、米国では州ごとにライセンス要件が異なるため、安定的な事業運営には多層的な法規制への対応が欠かせないだろう。
Bastionが保有する信託ライセンスなどは大きな強みだが、ソニー銀行側にも内部管理やコンプライアンス体制の強化が求められるそうだ。
また、ステーブルコイン市場は競争が激化しているため、既に大手企業が参入する中で差別化をどう図るかも課題になり得る。
ソニー銀行が持つブランド力や北米での事業展開の強みを生かし、企業や個人にとって価値のある新たな金融体験を打ち出せるかが鍵となるだろう。
今後の設計や検証の進展は、両社がステーブルコイン事業をどの水準まで具現化できるかを左右する要素になるとみられる。
提携の成果が実際のサービスとして北米市場に展開されるかどうか、引き続き注目したい。
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