博報堂DYがAIでRSA運用を刷新 CREATIVE BLOOM TEXT Adsに自動最適化を搭載

2025年12月1日、東京都の博報堂DYホールディングスと博報堂テクノロジーズは、統合マーケティング基盤「CREATIVITY ENGINE BLOOM」の一機能である「CREATIVE BLOOM TEXT Ads」に、レスポンシブ検索広告(RSA)のデッキ自動最適化機能を追加したと発表した。
RSA運用の高速化と広告効果向上を狙う。
RSAデッキを自動生成し運用負荷を削減する新機能
両社が公開した新機能は、広告文の組み合わせから最適なRSA(※)デッキをワンクリックで生成する仕組みである。
RSAは見出し最大15個、説明文4個から構成され、膨大なパターンから組み合わせを評価する必要があるが、従来は手作業による検証に多くの工数を要していた。
今回の自動最適化は、独自ロジックがアセットの組み合わせと予測スコアを瞬時に算出し、最も効果が見込めるデッキを提示する点が特徴だ。
また、広告文に紐づく訴求軸をAIが自動付与し、構成の意図を整理しやすくする機能も備える。さらに、生成したデッキが最適と判断される理由を自動で提示し、運用者の意思決定を支援する仕組みを実装した。
これにより、プランニング業務の効率化とPDCAの高速化が期待され、広告配信の質を一段引き上げる可能性がある。同社内で運用を開始しており、効果検証を進めながら機能追加を行う方針だ。
※RSA(レスポンシブ検索広告):複数の見出しと説明文を事前に設定し、配信システムが最適な組み合わせを自動選択する検索連動型広告形式。
高度化の次段階は「改善検知」とAIエージェント化
今回の自動最適化は、CREATIVE BLOOM TEXT Adsの進化の第一段階に位置づけられる。今後は既存デッキの中から改善が必要な広告をAIが自動検知し、より適切なRSAデッキを再生成する仕組みを開発する計画だ。
これにより、運用者の“気付き”自体をAIが先行して補完し、最適化サイクルがさらに短縮されるとみられる。
メリットとしては、広告効果の最大化と工数削減の両立が挙げられる。特に大量アセットを扱う大規模広告主にとって、RSA運用の標準プロセスが大きく変わる可能性がある。
一方で、AI判断への過度な依存や、説明責任の担保といったガバナンス面の課題も残る。
両社はグループ横断のAI専門家集団「HCAI Professionals」が開発に関与する形で、広告運用を支援するAIエージェントの構築を進めており、将来的には統合マーケティング領域全体の最適化を支える基盤となる見通しだ。
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