国内資産運用大手6社、暗号資産の投資信託やETFを検討 市場参入本格化か

2025年11月18日、日本経済新聞の報道によると、国内の資産運用大手6社が暗号資産を組み入れた投資信託の組成を検討している。対象となる資産にはビットコインやイーサリアムなど主要暗号資産が含まれる見通しだ。
野村・SBIなど6社、暗号資産投信の具体策を議論
日経新聞の調査によれば、野村アセットマネジメント、SBIグローバルアセットマネジメント、大和、アセットマネジメントOne、アモーヴァ、三菱UFJの計6社が暗号資産を組み入れた投信の組成を検討していることが確認された。
SBIグローバルアセットマネジメントは、ビットインとイーサリアムのETF(※)を中心に複数の暗号資産を組み合わせた投信を構想している。
SBIは2025年4~6月期の決算説明会でも、暗号資産を活用した金融商品の開発計画を明らかにしていた。
また、SBIホールディングスは米国の大手運用会社フランクリン・テンプルトンと共同出資会社を設立し、国内でも現物暗号資産を組み入れたファンドやETFの商品開発を視野に入れる。
商号もASMGT01株式会社からSBIフランクリン・テンプルトン株式会社に変更され、体制の整備が進む。SBIは暗号資産メディア「コインポスト」と連携して独自指数の開発にも取り組む予定だ。
大和は傘下のETF専門運用会社グローバルXジャパンと連携し商品戦略を議論しており、アセットマネジメントOneは暗号資産関連株式への投資ファンドを既に運用開始している。
その他の企業も専門チームを設置し、商品組成を検討している状況にある。
※ETF(上場投資信託):株式や債券、暗号資産などの金融資産をまとめ、証券取引所で売買可能にした投資信託。
暗号資産投信参入の波及効果とリスクを検証
国内大手が暗号資産投信の組成を進めることで、個人投資家や機関投資家の資金流入が増加する可能性がある。特に、暗号資産へのアクセスが容易になることで、資産分散の手段としての魅力が高まると考えられる。
一方、価格変動の大きい暗号資産を組み入れることで、リスク管理の重要性も増す。投信運用において価格急落時の損失を抑える仕組みや透明性の確保が求められる。
また、規制動向の変化によって商品設計の柔軟性が制約される懸念もある。
さらに、国内市場への参入は他社間の競争を激化させる可能性がある。
各社が独自指数やETF商品を開発することで差別化を図る動きは、投資家にとって選択肢の拡大につながる反面、過剰競争による手数料低下や収益圧迫も予想される。
将来的には、暗号資産投信が主流商品として定着するか否かが、市場全体の成熟度に影響を与えることになるだろう。透明性の高い商品設計と適切なリスク管理が確立されれば、国内投資家の暗号資産市場参入のハードルを下げ、資産運用の多様化を促進すると言える。
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