UFC親会社TKOがWEB3予測市場ポリマーケットと契約 放送に勝敗予測を表示

2025年11月13日、米総合格闘技団体UFCは、親会社TKOグループ・ホールディングスが暗号資産活用の予測市場プラットフォーム「ポリマーケット(Polymarket)」と複数年契約を締結したと発表した。試合の勝敗予想を放送画面にリアルタイム表示する取り組みは、スポーツ業界で初となる。
試合展開に応じ勝敗予想を表示 UFCが業界初の統合へ
今回の提携により、UFCのライブ放送にポリマーケットの「ファン・プレディクション・スコアボード」が導入される。世界中のファンが参加する勝敗予測を、試合の流れに応じてリアルタイムで画面表示する仕組みだ。
UFCが予測市場を公式に統合するのは初であり、スポーツ団体としても前例がない。
さらに、ポリマーケットはTKO傘下の新設ボクシング団体ズッファ・ボクシング(Zuffa Boxing)の初の公式ブランドパートナーかつ独占予測市場パートナーに就任する。
また、米ブルームバーグは同日、ポリマーケットが米国ユーザー向けに予測市場のベータ版提供を再開したと報道している。
さらに、ポリマーケットは、11月11日、北米大手デイリーファンタジースポーツ(DFS)運営会社であるプライズピックス(PrizePicks)と複数年にわたる契約を締結したと発表した。この提携により、プライズピックスのアプリからポリマーケットの予測市場取引が利用可能となる。
インタラクティブ観戦が進化 収益拡大も、規制面に課題
試合展開に応じた予測表示は、視聴者の没入度を高めると期待される。
UFCはファンが能動的に参加する観戦体験を提供することで、新たなスポンサーシップやマネタイズ機会を創出する可能性がある。特に若年層やWeb3ユーザーとの親和性は高く、視聴者層の拡大が見込める。
一方で、予測市場は金融規制や賭博規制の対象となる可能性があり、各国のルールへの対応が課題となる。ブロックチェーンを基盤とする取引は透明性の高さが強みであるものの、誤解やリスク管理への指摘も予想される。
また、ライブ放送内で勝敗予測が可視化されることは、選手への心理的影響や誤った期待形成を助長する懸念も否めない。市場操作や偏った情報拡散のリスクも存在し、倫理面でのガイドライン整備が必要になると考えられる。
今回の統合が成功すれば、他のスポーツリーグにも波及し、放送とWeb3技術を連携した新たなビジネスモデルが生まれる可能性がある。
今後、コンプライアンスとファン体験の最適解を導き出せるかどうかが、本取り組みの持続性を左右すると考えられる。
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