ファンデュエルとCME、米国で予測市場アプリを12月提供

2025年11月12日、米オンラインゲーミング大手ファンデュエルとデリバティブ取引所CMEグループが、予測市場アプリ「ファンデュエル・プレディクツ」を12月に提供開始すると発表した。スポーツや経済指標を対象としたイベント契約を取引できる新サービスである。
米ファンデュエルとCME、予測市場参入でアプリ提供開始
ファンデュエル・プレディクツは、ユーザーがスポーツ競技の結果や金融・経済指標に関する「イベント契約」を売買できるモバイルアプリとして独立提供される。
アプリでは野球、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーなどの主要スポーツの結果に関する契約が取引可能となる。
オンラインスポーツベッティングが未解禁の州では、先住民保護区を除く居住者がスポーツ関連のイベント契約を取引できる仕組みだ。一方で、同州でオンラインベッティングが合法化された場合は、当該州での提供は停止される予定となっている。
スポーツ以外の対象には、S&P500やナスダック100などの株価指数、原油・天然ガス・金などの商品価格、暗号資産、国内総生産(GDP)や消費者物価指数(CPI)などの経済指標が含まれる。これにより、投資や市場分析を目的とした多様な取引が可能になる。
予測市場の関心は広がっており、大手テック企業もデータ提供の強化に動いている。
グーグルはGoogle Financeに予測市場データを表示する新機能を追加予定であり、ポリマーケットはYahoo Finance上で独占パートナーとして予測市場ハブを提供する見込みだ。
予測市場拡大の波及効果と投資判断への影響
今回のアプリ提供により、個人投資家やゲーマーが市場確率データにアクセスしやすくなるメリットがある。リアルタイムでのイベント契約売買を通じ、意思決定やリスク管理に役立つ情報を獲得できる点は、従来の金融ツールでは得にくい価値と言える。
一方で、法規制やベッティング関連の制約が州ごとに異なるため、提供範囲や取引条件の複雑化が懸念される。誤解や違法取引を防ぐため、ユーザーはアプリの利用条件を十分に理解しておくのが望ましい。
企業視点では、予測市場の導入がブランド認知や利用者エンゲージメント向上につながるだろう。ファンデュエルやCMEにとって、新たな収益源やデータ収集手段としての価値も期待できる。
さらに、金融メディアやデータプラットフォームとの連携により、経済指標や市場動向の可視化が進み、投資判断や情報分析の精度が向上する可能性がある。こうした波及効果は、個人投資家から機関投資家まで幅広く影響を及ぼすと考えられる。
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