NTTドコモビジネス、企業AI活用を保護する新ソリューション提供開始 「Wiz」活用でAI環境の脆弱性を可視化

2025年11月6日、NTTドコモビジネス株式会社は、企業のAI活用を安全に支援する「AI-SPMソリューション」の提供を開始したと発表した。
Wiz Cloud JapanのCNAPP製品「Wiz」を基盤に、クラウド上のAI環境の脆弱性や設定ミスを可視化し、セキュアなAI運用を支援する。
NTTドコモビジネス、「AI-SPM」でAI環境の脆弱性対策を強化
NTTドコモビジネス株式会社は、AIを活用する企業向けに新ソリューション「AI-SPMソリューション」の提供を開始した。
本サービスは、クラウド上に構築されたAI環境に潜むリスクを可視化し、企業のセキュリティ対策を支援するものである。
近年、生成AIの業務利用が急増する一方で、AIモデルや学習データへの不正アクセス、設定ミスによる情報漏えいなど、新たなセキュリティ課題が浮上している。
従来型のサイバー攻撃とは異なる脅威が想定される中、AI環境に特化した防御体制の整備は喫緊の課題とされてきた。
AI-SPMソリューションでは、Wiz Cloud JapanのCNAPP(Cloud-Native Application Protection Platform ※)製品「Wiz」を活用。
クラウド内のAI関連コンポーネント(仮想サーバー、ストレージ、AIモデルなど)を自動的にスキャンし、脆弱性や設定ミスを検出する。
これにより、外部攻撃や意図しない情報流出を未然に防ぐ仕組みだ。
また、同社が培ってきた運用ノウハウを活かし、AI環境のリソース管理状況を継続的にモニタリングを行う。
企業ごとに最適なアドバイザリーを行うことで、セキュリティガバナンスの強化にも寄与する。
初期対象はクラウド上で生成AIチャットボットや社内AIツールを構築している企業で、料金は個別見積もりにより提供される。
※CNAPP:クラウド環境全体の脅威検知・防御・設定監視を統合的に行うセキュリティプラットフォーム。
生成AI普及に伴う「AIセキュリティ市場」拡大の兆し
今回のAI-SPM提供は、AI利活用が進む企業にとって重要なセキュリティ基盤強化の一手といえる。
特に生成AIや自社AIモデルを運用する企業では、内部データの保護とアクセス制御の両立が求められており、こうしたニーズに応える形だ。
メリットとしては、従来分散していたクラウドリソース管理を統合できる点にある。
管理者がクラウド設定や脆弱性をリアルタイムに把握できるため、AI導入後のリスク軽減と運用効率化を同時に実現できる。
さらに、Wizによる自動検知とNTTドコモビジネスのアドバイザリーを組み合わせることで、専門人材の不足を補完できる点も大きい。
一方、AI活用の進展により、企業が扱うデータの範囲は急拡大しており、すべてを可視化・保護するには運用体制の整備が不可欠となる。
今後は、AIエージェントのセキュリティ運用やアクセス制御の高度化など、AI特有のリスクに対応した仕組みの拡充が鍵を握るだろう。
AI-SPMは、その第一歩として企業のAI活用を「守る」基盤となることが期待される。
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