DEA、『JobTribes』のサービスを11月30日をもって終了すると発表

2025年10月31日、シンガポール拠点のDigital Entertainment Asset(DEA)は、同社が運営するNFTゲーム『JobTribes(ジョブトライブス)』を2025年11月30日18時(日本時間)で終了すると発表した。5年半にわたる運営を経ての幕引きとなる。
Play to Earn先駆け『JobTribes』、5年の運営に幕
『JobTribes』は2020年5月、NFTや暗号資産を用いたPlay to Earnゲームとしてサービスを開始した。DEA初の旗艦タイトルであり、PlayMiningの代表作として長年運営されてきたが、2025年11月30日18時をもってゲームおよび関連機能のすべてが停止する。
運営終了の背景として、外部経済からの資金流入を伴う持続可能なモデルへの移行が困難だったことがあげられている。DEAはこれまでゲーム体験と現実世界のつながりを生むスカラーシップシステムを展開してきたが、サービス自体の継続には至らなかったという。
NFT資産はサービス終了後もパブリックチェーン上に残り、今後「課題解決ゲーム」など他タイトルでのユーティリティ活用を進める予定である。
NFTは2025年12月1日から2026年3月31日までの期間、PlayMining NFTマーケットプレイス経由で外部ウォレットへ移行可能だ。
また、スカラーシップの解消やDEAPcheckの引き換えも期限内に対応が必要であり、11月中の複数回のメンテナンスやイベントに従った手続きが求められる。
運営チームは長年のユーザー支援に感謝を示すとともに、サービス終了への理解を呼びかけている。
サービス終了が示すWeb3ゲームの課題と今後の可能性
『JobTribes』の終了は、NFTや暗号資産を活用したP2Eモデルが直面する持続可能性の課題を浮き彫りにしたと言える。
収益構造が外部資金依存に偏ると、長期運営は困難になる可能性がある。同種のWeb3ゲーム運営は、資金循環モデルやユーザー報酬の設計を見直す必要が出てくるかもしれない。
一方で、DEAが掲げる「課題解決ゲーム」は、Play to Earnの発展形として注目できる。
金銭的報酬に依存せず、プレイヤーの行動が社会貢献や企業活動と結びつく構造は、Web3の信頼性向上にも寄与するだろう。
教育・医療・環境など、具体的なテーマと連動すれば、新しい市場を開くこともあり得る。
既存ユーザーにとっては、保有NFTが他プロジェクトに引き継がれる方針は安心材料となるだろう。過去の資産が他のタイトルや新事業で再活用できる設計は、Web3の理念である「持続的ユーティリティ」を体現する試みといえる。
もっとも、移行後の環境でどこまで経済的な循環を構築できるかは未知数だ。
『JobTribes』の経験が、Web3エンターテインメント全体の再設計にどのような示唆を与えるかが今後の焦点となるだろう。
Digital Entertainment Asset 発表
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