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米エネ省、AMDと10億ドル規模のAIスパコン開発へ 原子力・がん治療に活用

PlusWeb3 編集部
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2025年10月28日、米エネルギー省が半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)と10億ドル規模のパートナーシップを締結し、原子力やがん治療、国家安全保障領域の研究を加速する2基のスーパーコンピューターを開発すると、ロイターが報じた。AI性能を重視した次世代計算基盤で、2020年代後半にかけて米国の科学技術力を強化する狙いだ。

AMD製AIチップ搭載の新スパコン「Lux」と「Discovery」

米エネルギー省とAMDは、原子力・核融合エネルギー、医薬品開発、防衛といった高度課題に対応するため、2基のスーパーコンピューターを共同構築するという。
ライト米エネルギー長官とAMDのリサ・スーCEOがロイターに対し明らかにした。

初号機「Lux」は今後6カ月以内に稼働予定で、AMDのAIチップ「MI355X」をベースとし、同社製CPUやネットワークチップを統合する構成だ。
開発にはヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)やオラクル、オークリッジ国立研究所(ORNL)が参画している。

ライト長官は「これらのAIシステムの計算を利用することで飛躍的に進歩が加速し、今後2〜3年で核融合エネルギーを活用するための実用的な道筋が見えてくると信じている」と述べ、がん治療に関しても「私の希望は今後5〜8年で、現在では最終的に死に至るがんの多くが管理可能な状態になることだ」と期待を示した。

ORNLのストライフ所長によれば、Luxは既存スパコンの約3倍のAI能力を持つと見込まれている。

2基目の「Discovery」はAMDの次世代AIチップ「MI430」シリーズを採用し、高性能計算に最適化される。2028年に納入、2029年の運用開始を予定している。

国家競争力強化と倫理課題 AIスパコン競争が加速

今回の取り組みは、米国がAIとハイパフォーマンスコンピューティング(HPC ※)で中国や欧州と競う中、国家競争力確保を狙う象徴的な施策と言える。量子技術や新素材開発、核融合エネルギーなど「国家級プロジェクト」がAI計算で加速すれば、エネルギー安全保障やバイオ医療分野での優位性を確立する可能性がある。

一方、AI計算能力の飛躍は倫理課題も伴う。巨大なモデルが武器システム研究や生物学的シミュレーションに応用されるリスクがあり、研究透明性や利用ガバナンスの強化が不可欠になるとみられる。
また、数十万規模のGPU級リソースが必要となるため、エネルギー消費や排熱管理、立地戦略も重要な論点と言える。
米国のAIスパコン戦略が、技術革新と倫理統制の両立を実現できるかが今後の焦点だろう。

※ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC):膨大なデータ処理や高度な科学技術計算を行うための計算基盤。多数の計算機を連携させ、気候モデル、核融合研究、AI学習、医薬品開発など国家レベルの研究に利用される。

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