楽天モバイルとはなHDが次世代型保育園を始動 AIで保育業界の負荷軽減

2025年10月22日、楽天モバイルとはなホールディングスは2025年11月1日に開設する「はな保育室こまきはら(仮称)」にて、AIやICTを活用した「次世代型保育園」の取り組みを開始すると発表した。愛知県に開園する同施設において、保育士の業務負荷軽減や人材不足の解消に向けた本格的なDX導入を実施する。
愛知に開園「次世代型保育園」 AIカメラや自動制御で業務効率化
「次世代型保育園」の第一弾として、はなホールディングスは11月1日、愛知県に「はな保育室こまきはら(仮称)」を開設。園内にはAI搭載のクラウドカメラ「Safie One(セーフィーワン)」を設置し、リアルタイムの映像監視と異常検知によるアラート通知を行う仕組みを導入する。
また、園児の登降園管理にはAI空間管理システム「Rakuten NEO」を活用し、保護者がQRコードで入退室を簡便に記録でき、同時にセンサーによる自動空調・照明を制御。
事務作業の負荷軽減に向けてはインターネット接続サービス「KŌSOKU Access」を活用する。
外国人保育士や多国籍の保護者とのコミュニケーションに向けては、AI通訳機「ポケトーク」を活用し、多言語対応を強化する方針だ。
楽天モバイルとはなHDは「これからもDX(※)やAIの活用によって保育現場の課題を解決し、子どもたちや保育士の皆様が安心して過ごせる環境づくりを支援してまいります」としている。
※DX(デジタルトランスフォーメーション):デジタル技術を活用して業務やサービス、組織構造を変革する取り組み。
保育業界のDX加速なるか 安心・効率の両立に期待と課題
楽天モバイルとはなホールディングスの取り組みにより、AIやクラウド技術を通じた「安心・効率の両立」が実現するとみられる。特に保育士の労働環境の改善は急務であり、業務の見える化や自動化による負担軽減は定着率の向上にも寄与するだろう。
今回の事例は保育業界が長年抱えてきた「人手不足」「業務過多」「IT導入の遅れ」といった課題に対し、企業主導でDXを進める初のモデルケースとなり得る。
保育施設の安全性向上と同時に、ICTツールによる保護者との信頼関係構築が可能となれば、今後の全国展開や政策支援にも波及する可能性が高い。
一方で、AI監視や自動制御に対する保護者のプライバシー意識や、現場での導入・運用の習熟には一定の課題が残る。現場の声を取り入れながら段階的に整備することで、技術と人の融合がより実効性のある取り組みとなるだろう。











