NY市長選クオモ候補、暗号資産・AI・バイオテクノロジー推進政策を提示 新職創設を公約へ

2025年10月19日、米ニューヨーク市長選に立候補しているアンドリュー・クオモ氏が、暗号資産(仮想通貨)・AI(人工知能)・バイオテクノロジーを軸とした新産業振興策を発表した。
市政に「最高イノベーション責任者(CIO)」を新設し、ニューヨークを次世代技術の国際的拠点へと発展させる構想を掲げる。
クオモ氏、CIO新設と専門評議会設立を公約に
クオモ氏は10月19日、ニューヨーク市を「未来のグローバル・ハブ」と位置づけ、当選後に「最高イノベーション責任者(Chief Innovation Officer:CIO)」を設ける方針を発表した。
CIOは市の行政機関を横断的に統括し、AI・バイオテクノロジー・暗号資産などの新興技術導入を推進する役割を担う。
あわせて、3分野の専門家で構成される「イノベーション評議会(Innovation Council)」を設立し、政策提言、業界基準の策定、消費者保護に関する助言を行う体制を構築するという。
クオモ氏は、技術革新と公民連携を両立する包括的な都市モデルを提示した形だ。
暗号資産・ブロックチェーン分野では、ニューヨークを「デジタル金融と分散型イノベーションの世界的中心地」とする目標を掲げ、既存規制の見直しと責任ある革新を促す法制度の整備を進める方針を示した。
次期ニューヨーク市長選は2025年11月4日に一般選挙が実施される予定で、無所属のクオモ氏のほか、民主党指名候補のゾフラン・マンダニ氏、共和党候補のカーティス・スリワ氏が立候補している。
革新都市モデルの可能性と課題 規制調整が鍵に
クオモ氏の構想は、テクノロジーを軸とした都市経営モデルへの転換を目指す試みといえる。
特にCIO職の新設は、行政と産業界を橋渡しする制度的基盤を生む点で意義が大きい。
イノベーション評議会による専門的助言も、政策決定の迅速化や実行力向上につながる可能性がある。
一方で、暗号資産やAIの領域では、国・州レベルの規制が依然として複雑であり、市単位での制度運用には限界もある。
法整備の速度や調整力が追いつかなければ、構想が停滞するリスクもあると考えられる。
また、イノベーション推進には、企業誘致や研究開発拠点の整備など長期的な投資が欠かせない。
都市の競争力を高めるには、規制緩和だけでなく、教育・雇用・データガバナンスといった包括的戦略が求められるだろう。
ニューヨークが再び技術革新の中心都市として存在感を取り戻すためには、政治的ビジョンと実行力を両立させるリーダーシップが問われる局面にあるといえる。
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