東邦レマック、BTCとETHを追加購入 デジタル資産戦略を加速

2025年10月20日、東証スタンダード上場の靴卸売業・東邦レマックがビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)の追加購入を発表した。同社は資産運用とデジタル金融対応力の強化を目的として段階的な取得を進める方針である。
東邦レマック、BTC2,000万円・ETH3,000万円を取得
東邦レマックは7月に年間購入上限10億円を設定し、BTCおよびETHを取得すると発表していた。8月の初回購入に続き、今回が2度目の取得となる。
発表によれば、10月20日にビットコイン2,000万円分で1.19507102BTC、イーサリアム3,000万円分で49.13208177ETHを購入したという。
同社の累計保有量は、BTCが2.64258695BTC、ETHが94.79017932ETHとなり、累計購入額はそれぞれ4,500万円、5,500万円に達した。取得平均単価はBTCが1,702万8,767円、ETHは58万228円で、時価評価は四半期ごとに実施される予定だ。
背景には、国内で上場企業が戦略的に暗号資産を資産運用に組み込む動きがある。
東邦レマックは財務基盤の安定化に加え、将来のデジタル金融分野での競争力向上を狙い、段階的に購入・保有を進めている。
同社は購入目的として、単なる投機ではなく中長期的な資産運用と、デジタル金融市場への適応力強化を明示している。上場企業による暗号資産の取得が増える中、今回の取得は計画通りの暗号資産戦略の実行を示すものとなった。
暗号資産戦略の利点とリスク 成長機会と変動リスクの両立
東邦レマックの追加購入は、企業の資産運用戦略に新たな選択肢を提供する。
BTCやETHは将来的な価値上昇が期待され、財務ポートフォリオの分散効果を高める可能性がある。また、デジタル金融領域への早期対応は、新規事業や投資機会の開拓に資するだろう。
一方で、暗号資産の価格変動は依然として大きく、短期的な損益変動が財務状況に影響を与えるリスクも存在する。四半期ごとの評価損益計上により、損失が一時的に損益計算書に反映される可能性があることには留意が必要だ。
長期的には、段階的な取得方針により価格変動リスクを分散しつつ、資産運用の安定性を確保する狙いがある。将来的なデジタル金融市場でのプレゼンスを高めることは、同社の成長戦略に直結すると考えられる。
加えて、上場企業による暗号資産取得の増加は、市場に信頼性を与え、国内投資家の関心を高める効果も期待できる。
企業としての先行投資の価値を活かしつつ、価格変動リスクと成長機会のバランスを取る戦略が今後も鍵になるだろう。
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