YOUON JAPAN、「水素アシスト自転車」で日本初の型式認定を取得 脱炭素モビリティが実用化へ

2025年10月20日、YOUON JAPAN株式会社(東京都新宿区)は、同社が開発した水素燃料電動アシスト自転車「U200」が国家公安委員会より日本初の型式認定を取得したと発表した。
クリーンエネルギーを活用した次世代モビリティが実用段階へと進んでいる。
水素で走る「U200」、国家認定で実用化へ 万博でも採用
YOUON JAPANの「U200」は、水素を燃料として発電し、後輪駆動で走行を補助する電動アシスト自転車である。
国家公安委員会による型式認定(交N25-92/交A25-86)を2025年10月3日に取得し、日本で初めて公道走行が正式に認められた。
型式認定とは、国家公安委員会が交通安全基準への適合を審査し、認定した車両のみが公道走行できる制度だ。
認定取得により、水素を活用したモビリティが一般利用に向けて大きく前進した。
U200は水素と酸素を化学反応させて電力を生み出す燃料電池を搭載し、走行時に二酸化炭素を一切排出しない。
排出物は水のみであり、エコフレンドリーであることが強みだ。
また、カートリッジ式の小型水素ボトルを採用しており、安全性を確保しつつ簡単に交換できるなど利便性も確保されている。
U200は2025年大阪・関西万博でスタッフの移動用モビリティとして採用され、社会実装に向けたモデルケースとして注目を集めていた。
YOUON JAPANは太陽光発電を利用して水から水素を生成・貯蔵・活用する一体型システムを構築し、「太陽光と水があれば水素が生まれる」というテーマのもと、カーボンニュートラルな社会の実現を目指している。
今後、水素スクーターや家庭用発電機など関連製品の開発も計画しており、日常生活に水素応用製品を浸透させる戦略を強化していく構えだ。
水素モビリティの波及効果と課題 コストとインフラ整備が焦点に
「U200」の実用化は、環境負荷を大幅に減らす新たな交通手段として注目に値する。
環境への配慮のみならず、カートリッジ型の利便性や万博での運用実績がある点は、普及に有利に働くだろう。
政府の「水素社会実現戦略」に沿う形で、地方自治体や企業による導入支援の可能性も広がると見られる。
一方で、水素カートリッジの供給体制やステーション網の整備といったインフラ面の課題は依然残る。
燃料コストや交換プロセスの標準化も、普及を左右する要因となるだろう。
YOUON JAPANのような民間主導の技術開発が進むことで、水素エネルギーの活用は研究用途から生活領域へと広がりつつある。
自動車に続く個人単位の水素利用が進展すれば、脱炭素社会への移行を支える新たなライフスタイルの礎となるだろう。
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