Anthropic、AIコーディング支援「Claude Code」ウェブ対応 並列実行可能に

2025年10月21日、米AnthropicはAIコーディング支援ツール「Claude Code」のウェブ版を公開した。
これにより、開発者はブラウザ上から複数のリポジトリを接続し、同時にタスクを実行できるようになった。
AIコード支援がブラウザで使用可能に
Anthropicが発表した「Claude Code on the web」は、ブラウザ上で直接コーディングタスクを実行できるクラウド型開発支援ツールである。
現時点ではテスト段階の「リサーチプレビュー」版となっているが、ターミナルを経ずにブラウザでコーディング支援を受けられるようになった。
具体的には、GitHubと連携し、ユーザーが修正箇所や要件を入力すると、Claudeが自動でコード実装を行う仕組みとなっている。
従来のローカル環境での利用とは異なり、各セッションはAnthropic管理のクラウド上で独立したサンドボックス(※)環境として稼働する。
進捗状況をリアルタイムで確認でき、作業途中で指示内容を調整することも可能だ。
最大の特徴は、複数のリポジトリで並列処理が行える点にある。Claudeがタスクを分担して自動でプルリクエスト(PR)を作成し、変更内容の要約も提示することで、開発スピードを高める。
特に、バグ修正や定型タスク、テスト駆動開発が求められるバックエンド領域での活用が想定されている。
さらに、Claude Code on the webは、iOSアプリからの操作にも対応している。
モバイル環境でも簡単な修正やコードレビューを行えるため、外出先での軽作業を効率化できるとのことだ。
Anthropicは、ユーザーからのフィードバックを反映しながら改良を進める方針だ。
この機能はProおよびMaxプラン利用者限定で提供が開始されている。
※サンドボックス:外部ネットワークやファイルシステムから隔離された安全な仮想実行環境。テストや自動処理の安全性を確保するために用いられる。
ブラウザでのクラウド実行の効果
Claude Codeのクラウド展開は、生成AIのビジネス利用をさらに後押しする動きといえる。
ブラウザだけで環境構築や依存関係の管理を省略できるため、企業は開発コストを削減し、リモートワークでも統一的な開発環境を維持できるようになる。
一方で、クラウド上でのコード実行にはセキュリティリスクも伴う。
Anthropicはこれに対し、各セッションをネットワーク・ファイルシステム制限付きのサンドボックス内で実行し、リポジトリへのアクセスもプロキシ経由に限定する設計を採用した。許可されたドメインのみ通信可能とする設定も導入されており、企業機密の流出防止を図っている。
Claude Codeのクラウド化は、AIによるコーディング支援をより実務レベルへ引き上げる可能性を持つ。
開発業務の自動化が進めば、エンジニアはより創造的な設計や検証業務に集中できるようになると考えられる。
今後は、Claude Codeがどこまで安全かつ柔軟な環境を提供できるかが普及の鍵を握るだろう。











