ロート製薬、「週3勤務も選べる」新制度を導入 複業・学び直しを後押し

2025年10月20日、ロート製薬株式会社(本社:大阪府大阪市)は、社員が自らの意思で働き方を選び、複業や学びに時間を充てられる新制度「ビヨンド勤務」を導入すると発表した。
2025年10月よりエントリーを開始し、2026年4月から本格運用を開始する。
「ビヨンド勤務」を導入 週3・4日勤務と柔軟な働き方を両立
ロート製薬は、社員の自律的なキャリア形成を支援する新制度「ビヨンド勤務」を導入する。
週3日または週4日の勤務を基本とし、残りの日数を複業や学び直し、資格取得、社会活動などに活用できる。
勤務日数に応じて業務量は3/5または4/5に設定され、給与も同割合で算出されるが、福利厚生や評価制度は週5日勤務と同等に扱われる。
この制度は、社外での複業経験を持つ社員の提案をきっかけに誕生した。
社内プロジェクトでの議論を経て、「挑戦意欲はあるが時間の制約で行動できない」という課題が浮き彫りとなり、人事・経営陣との対話を経て制度化が実現した。
提案者は、異なる組織で働くことで新たな価値観に触れ、自己成長やウェルビーイング(※)の向上を実感した経験から、他の社員の挑戦を後押しする制度を提案したという。
さらに同社は、2025年10月から「コアなしフレックス制度」も導入している。
育児や介護などライフステージに応じた柔軟な働き方を可能にし、社員は目的に応じて働き方を選択できるようになる。
これまでも「社外チャレンジワーク(複業制度)」「リスキリング休職制度」「社内起業家支援制度『明日ニハ』」などを展開しており、今回の制度はそれらを発展させた形となる。
※ウェルビーイング:身体的・精神的・社会的に良好な状態を指す概念で、健康や幸福を総合的に捉える考え方。
挑戦を促す働き方改革 知の循環と企業成長の両立へ
「ビヨンド勤務」は、単なる勤務日数の短縮ではなく、社員の成長を通じて会社・社会へ価値を還元することを目的としている。
多様な働き方を認めることは、個人の自律性を尊重しつつ、企業の持続的な競争力強化にもつながると考えられる。
同制度により、社員が社外で得た知見を社内に還元する「知の循環」が生まれる可能性がある。
外部活動を通じて視野を広げた社員が、組織のイノベーションや新規事業の推進に寄与する効果が期待される。
一方で、勤務日数の異なるチーム運営や業務配分の最適化など、制度運用における課題も残されている。
ロート製薬は、社員の挑戦とウェルビーイングを両立させる取り組みを強化し、「個人・会社・社会がともに成長するWell-being経営」の実現を目指すとされる。
多様な働き方を制度として整えることで、社員の自己実現を支援しながら、企業としての創造力と柔軟性を高めていくと考えられる。
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