スペースデータと日本コロムビア、生成AI×デジタルツインで次世代IP創出へ

2025年10月15日、株式会社スペースデータと日本コロムビアグループ株式会社は、生成AIとデジタルツイン技術を組み合わせた新たなIP創出およびエンタテインメント事業の共同検討を開始したと発表した。
宇宙と音楽をテーマに、革新的なエンタメ体験の実現を目指す。
AI×デジタルツインによるIP創出 宇宙と音楽をつなぐ新事業が始動
宇宙テクノロジー企業のスペースデータと、日本最古のレコード会社を母体とする日本コロムビアグループが、AIとデジタルツイン(※)を融合させた新たなIP(知的財産)創出の共同プロジェクトを開始した。
両社の技術を活かした宇宙、音楽などを掛け合わせた新たなエンタテインメント事業の創出を目指す。
スペースデータは、地球・宇宙環境を精密に再現する技術を強みとし、都市開発や防災など幅広い分野で活用してきた。
今回の連携により、同社の技術をエンターテインメント領域に拡張する。
一方、日本コロムビアグループは、エンタテインメント分野におけるIP創出で数々の実績を持つ。
創業115年の文化資産を生かし、生成AIを活用した新規IPの創出を進めている。
今回の業務提携では、スペースデータがデジタルツインを活用した創作環境の構築を担い、日本コロムビアグループがAIによるIP創作技術を開発する。
両社の協業によって、革新的なIP創作手法を構築する方針だ。
※デジタルツイン:現実世界の環境や構造をデジタル空間上に再現し、リアルタイムに解析・シミュレーションを行う技術。製造業や都市開発、宇宙産業などで広く応用されている。
AI時代のIP開発が抱える光と影 新市場の創出と著作権課題
生成AIとデジタルツインを掛け合わせたIP開発には、創作スピードと多様性の飛躍的向上が期待できる。
AIが仮想空間でリアルタイムに設定やキャラクターを生成することで、従来数か月を要した企画工程を短縮し、ユーザー参加型の物語展開も実現できるだろう。
また、宇宙をテーマにしたIPは国際的にも需要が高く、日本発のコンテンツ輸出を後押しする可能性がある。
ただ、AIが生成した作品における著作権の帰属や倫理的リスクは依然として課題である。
創作物の主体が曖昧になることで、権利処理や責任の所在が複雑化する恐れがある。AIを利用した創作への賛否の声も多く、リスクと無縁ではない。
スペースデータと日本コロムビアグループの取り組みは、テクノロジーと文化の融合を通じて新しい創作経済を切り拓く実験的プロジェクトといえる。
両社の成果は、AI時代における「人とAIの共創」の一例として参考とされるだろう。











