AIフュージョンのMWMと博報堂キースリーが提携 企業向けDATコンサルを開始

2025年10月16日、AIフュージョンキャピタルグループ傘下のミライウェルスマネジメント(MWM)は、博報堂キースリーと戦略的パートナーシップを締結し、一般企業向けのDAT(デジタル資産トレジャリー)事業コンサルティングサービスを開始すると発表した。暗号資産の管理・運用からIR戦略までを一括支援する。
DAT事業の企業導入を支援 暗号資産活用を包括的にコンサル
ミライウェルスマネジメント(MWM)と博報堂キースリーは、企業が保有・活用するデジタル資産の戦略構築を支援するDAT(デジタル資産トレジャリー)(※)事業コンサルティングを共同で展開する。
サービス内容は、暗号資産の調達・管理・監査・運用に加え、株主や社内への説明資料作成支援、IRやSNSを活用した開示戦略、新規事業立案まで多岐にわたる。
MWMは、富裕層や企業への資産運用ノウハウ提供を強化する中で、より広範な顧客基盤にリーチするためにはマーケティング力とネットワークを持つパートナーが不可欠と判断。Web3分野に強みを持つ博報堂キースリーとの協業により、金融とブランディングを融合した支援体制を構築したと説明している。
AIフュージョンキャピタルグループは2025年3月よりビットコインへの投資を開始し、これまでに約3億円を投じて24.63449278BTCを保有している。また10月9日には米デジタル資産インフラ企業ビットゴー(BitGo)とも戦略的パートナーシップを締結。
ウォレット導入支援やカストディ事業の共同検証にも取り組むなど、グループ全体でWeb3分野への展開を加速している。
※DAT(デジタル資産トレジャリー):暗号資産やトークン化資産を組織的に管理・運用する仕組み。従来の財務管理に相当する概念で、透明性・効率性・規制適合性を備えた資産運用を可能にする。
企業財務にWeb3の波 DAT導入がもたらす可能性と課題
DAT事業の導入は、企業財務のデジタル化を進める新たな動きとして注目されるだろう。
暗号資産を一部資産として保有する企業は増えているため、価格変動リスクを管理しつつ資産運用に活かす動きが広がりつつある。今回のコンサルサービスは、こうした企業が抱える知識・体制の課題を補う仕組みといえる。
一方で、暗号資産の会計処理や税務上の取り扱いは依然としてグレーゾーンが多いため、導入企業には慎重なリスクマネジメントが求められそうだ。
企業が暗号資産を保有する場合、監査体制の整備と開示基準の明確化が不可欠となるだろう。MWMと博報堂キースリーの取り組みは、このような制度的課題を踏まえつつ、実務面から企業のDAT導入を支援するモデルとなりうる。
今後、DATコンサル市場が金融・会計・マーケティングの知見を統合する新しいコンサル領域として拡大する可能性は高いだろう。
両社の提携は、Web3を企業経営の実務に根づかせる試金石になると見られる。
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