Google MeetにAIメイクアップ機能 動いても崩れない自然な仕上がり

2025年10月13日、米グーグルはオンライン会議サービス「Google Meet」にAIを活用したメイクアップ機能を導入したと発表した。
顔の動きに合わせて自然に補正されるのが特徴で、ウェブとモバイルの両方で利用できる。
AIが表情や動作に追随、メイクを自動調整
グーグルは、ビデオ会議中の見た目を自然に整える「Touch-up」機能を拡張し、AIによるメイクアップ機能を追加した。
ユーザーは12種類のメイクスタイルから選択でき、プロフェッショナルな印象を与えるナチュラルメイクから、より表現的なスタイルまで幅広く対応する。
これらの12種のメイクはモバイル環境でもPC環境でも利用でき、設定は保存されるため次のミーティングでも利用可能である。
AIが顔の特徴や動きに合わせて処理を行い、メイクの位置を自然に保つ。コーヒーを飲む、顔に手を触れるといった日常の動作でも崩れにくく、実際に施しているかのような自然さを維持する点が大きな特徴だ。
従来のバーチャル背景やぼかし機能に続き、オンライン上での“自己表現”を支援する新たなツールとして位置付けられる。
この機能は、Google WorkspaceのBusiness Standard/Plus、Enterprise Starter/Standard/Plus、Education Plus、Teaching & Learning add-on、Enterprise Essentialsの契約者に提供され、さらにGoogle OneおよびGoogle Workspace Individual(個人向け)加入者にも順次提供される。
ロールアウトは10月8日から段階的に行われ、最大15日以内に機能が表示される見通しだ。
オンライン時代の多様な表現を支援へ
AIメイク機能の導入は、オンラインコミュニケーションにおける印象管理の在り方を変える可能性がある。
リモート会議の増加に伴い、ビデオ越しの第一印象が仕事の評価や人間関係に影響を与える機会は増えた。AIによる補正がその負担を軽減し、外見より内容に集中できる環境を整える効果が期待される。
一方で、AIが生成する「理想的な外見」が普及することで、リアルとの乖離が生じる懸念もある。自然さを重視するGoogleの設計方針は、過度な加工文化への一線を引く試みとも言える。
今後はAIメイクを基盤に、文化的背景や多様な肌色に配慮したスタイル拡張が進む可能性がある。オンライン会議の領域を超え、SNSや教育、医療面談など他分野への展開も視野に入るだろう。
AIが個人の自己表現を支援する時代に向けて、一歩前進したと言える。



	







