WhoscallがAI詐欺検知を強化　音声アラートと複数人プランで安全性と利便性を両立

2025年10月8日、電話・ネット詐欺対策アプリ「Whoscall（フーズコール）」を提供するWhoscall株式会社は、AIによる詐欺検知機能の拡張と料金プランの刷新を発表した。
音声通知機能の追加や複数人向けプランの導入により、個人から家族まで利用しやすい設計に進化した。

AI詐欺検知を多層化　音声通知と家族向けプランを追加

Whoscallは従来より機械学習を活用して不審電話番号の識別やユーザー報告の検証を行ってきたが、今回のリニューアルでAIの適用範囲を大幅に拡大した。
新たに導入された「Whoscall AI」では、電話番号に加えてSMSの内容や画像、リンクなどを解析対象に加え、詐欺パターンを多面的に検出できるようになった。

加えて今後搭載予定の「音声アラート」機能では、着信時にAIが不審な相手である可能性を音声で警告する。運転中や高齢者など、画面を確認しづらい環境でも安全に判断できる設計だ。

料金体系も刷新され、従来のシングルプランに加え、2アカウント使用できる「デュオプラン」と最大5アカウントまで使える「ファミリープラン」が新設された。
料金はシングルが年額4600円（月490円）、デュオが年額7400円（月790円）、ファミリーが年額1万4000円（月1490円）で、ファミリープランとデュオプランでは、10月31日までの期間限定で30％割引となる。

さらにアプリのUIも一新された。
公式キャラクター「Vee」を中心に親しみやすいデザインを採用し、初めて利用するユーザーや高齢者でも直感的に操作できるよう工夫されている。

利用層拡大で詐欺被害の抑止へ　AI信頼性と個人情報保護が課題

今回のアップデートにより、Whoscallは「詐欺検知アプリ」から「生活防衛ツール」へと進化したとも言える。
特に複数人プランの導入は、家族間で詐欺番号データベースを共有できる点で実用性が高い。高齢者や在宅勤務者を狙った新手口が増加しているため、家庭単位での防犯体制構築は、今後も重要テーマとなるだろう。

一方で、課題も少なくない。
AIが詐欺を誤判定するリスクは依然として残るほか、SMSや画像解析を伴うことでプライバシーへの懸念が強まる可能性がある。利用者の一部は「監視的」に感じるかもしれないため、透明性やデータの取り扱い説明が不可欠となるだろう。

また複数人向けプランの導入は便利だが、家族単位での管理や設定の煩雑さ、共有アカウントの扱いなど、運用面での課題も浮上すると考えられる。

Whoscallは通信セキュリティ分野のAI化を象徴し、今後は詐欺防止にとどまらず通信全体を最適化するサービスへ進化する可能性がある。音声アラートによる連携拡張が期待される一方、AI誤判定や個人情報保護への対応が信頼維持の課題となるだろう。

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